09.08.14 改訂
09.07.26 制作

26. ケンコーKDSマウントの小型ジンバル改造 
 ケンコーからNEW KDS2が発売され、ジンバル改造の必要もなくなりKDS雲台も微動装置の恩恵もありすっかりデジスコ用雲台として定着しました。
ここでは前の21.KDSジンバル改造2で制作した雲台に携帯性を改善する小型化改造を行ってコンパクトにしてみました。
KDS小型ジンバル雲台

 従来のKDSジンバル改造よりアームジョイントを取り去る事で横幅27mm、高さ約15mm小型化しています。
今回の改造では上部ユニットのマウント部を重く大きかったアリガタマウントからベンロの小型マウントに変更し、マウント部で横幅約15mm小さくなりパーンハンドルはスライドレール側に変更しました。

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雲台重量は、改造前の850gから今回の改造で230gの軽量化で620gとなり、微動ジンバルとしては理想的な大きさと重量になってきました。

白かったボディーカラーも使い込んで傷だらけになってきたので、全体を三脚に合わせダークグレーに塗装し、落ち着いたイメージに仕上がりました。
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改造前のKDSジンバル(参考)

このKDSジンバル改造2は制作して2シーズン使用しましたが観察しやすさと撮影の両立が出来ていて大変気に入っていました。
今回の小型タイプと比べると横幅が大きいのが目立ちますが、大きささえ気にしなければ、これはこれで良い出来だったと思います。

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KDS小型ジンバル単体
KDSの操作性の重要なポイントが微動ツマミで、2つのツマミの距離が離れると操作に時間がかかり、この位置だと上下の素早い操作が可能で外径もアルミ削り出しで小径に変更し融着テープで滑り止めを行い、標準部品では調整しにくかった位置調整もM8タップとセットビスで調整も容易になりました。

上下のユニットの接続アダプターを外して下部ユニットに上部ユニットを直接乗せた事で横幅が小さくなりコンパクトになりました。
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前方から 拡大 操作側から 拡大
プリセット角度表示について
KDS雲台にはプリセット型の角度表示リングが有り、堤防でカモメを探している時など、気になる個体が見つかるとリングをセットして位置を記憶させておけば、スコープを動かしても直ぐに元の位置に戻す事が出来大変重宝していました。
今回の小型化により頻繁にプリセットを使用していた下部側は強度の問題もあり残す事とし、使用頻度の少なかった上部は小型化のためプリセットリングを取り省いた替わりに角度の表示を付けて代用する事としました。
上下の可動角度 TSN-774の場合
上下の角度は、スライドレールの干渉で左右されます。(↓B)上下の可動範囲は各35度とやや狭くなりましたが、上向きはスライドレールの後端〜10mm(↓A)にセットする事で、スライドレールとの干渉が避けられ、パーンハンドルやスコープとの接触位置まで上限が広がり従来よりやや向上しました。(←C)
ハンドル付き 55度 拡大 水平位置 拡大 下限 35度 拡大
レール後端の飛出し量 拡大 スライドレールの干渉 拡大 上限 ハンドルが干渉 拡大
KDS小型ジンバルの改造方法
上部マウントとフリクションシャフト

マウントは、標準のアリガタマウントから25.ボールヘッドジンバルで紹介したベンロ プロボールヘッドB-00、B-0のマウント部を使用。
フリクションシャフトはアルミ丸棒より削り出し加工しコンパクトに制作したが、中心にフリクション調整ボルトとマウント固定ボルトが両側から入るため今回の16mmの厚さではやや強度不足が考えられ、問題が出れば20mm位に変更を考えています。

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代表構成部品 拡大 フレーム 下・上 拡大 微動ツマミ 拡大
上下ユニットの接続:上部ユニットは下部ユニットに直接接続するように変更するために下部ユニットの加工が必要になります。下部ユニットのギヤーボックスを取り外し、固定用のM8キャップボルトがギヤーボックスに干渉しないように下部フレームを加工し、上下のユニットを接続し、取り外したギヤーボックスを元の様に組み立てます。
注意:ギヤーボックスの固定ボルトはM3.5mmなのでLレンチのサイズには注意が必要です。
取り外し部品
改造前の上部ユニット 拡大 取り外したアダプター 拡大
まとめ:

上下の微動ツマミの位置関係について
ツマミが遠く離れると操作に時間がかかり、近すぎると指先が当たってかえって操作しにくくなりますので標準のツマミでは小型化改造をためらっていましたが、ツマミ小径にする事で指の干渉を防ぎ使いやすい最も近い位置に配置する事が出来、操作性も向上しました。

アームの長さと上下の角度について
一般的には販売されたKDS2のようにアームを延長する事で上下の可動範囲を広げるようにしますが、反面、雲台剛性の低下や全体の大きさが大きくなり携帯性が悪くなります。
今回の小型化改造ではスコープの位置をやや左側にずらす事で下部ユニットとスコープの干渉を減らして可動範囲を確保していますが、スライドレールは前後各35度で下部ユニットと干渉します。その対策として上向側ではスライドレールの後端にセットする事で干渉が避けられ前作より可動範囲をやや向上出来ました。
重心はあまり大きく左側に移動すると三脚の中心から離れてバランスを崩すことになりますので、安全性を考えるとこのあたりが可動範囲との妥協線かと思えます。

小型化の成果
今回の改造により大きさが、横70mm(-27)×高さ90mm(-15)ツマミは省く、重量620g(-230)と操作性をあまり犠牲にせずに小型化出来、微動ギヤ式ジンバルとしては限界に近づいた気がします。これにより携帯性は確実に向上しました。

サンプル写真 
カワラヒワ 町田市

近くの河原でのカワラヒワですが、ちょこちょこ動きまわっても微動ツマミの操作性は良好。


TSN-774 + TE-10Z(30X) + P6000
ISO-400 1/118 F5.0 18.3mm

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アオバズク 町田市

巣穴の見える木の上で、樹洞のヒナを気づかいながらじっとしています。
上方向にやや余裕が出来ました。


TSN-774 + TE-10Z(30X) + P6000
ISO-200 1/40 F6.2 11.1mm

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アオバズク 町田市

近くの神社では4羽のヒナがすくすく育っています、巣立ちももうすぐです。


TSN-774 + TE-10Z(30X) + P6000
ISO-400 1/43 F4.9

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19. 従来のKDSジンバル風(L型アーム)
21. KDSマウントの簡単ジンバル改造2
25. 自由雲台を使った軽量ボールヘッドジンバル
31. Kenko NEW KDS マウントKの軽量化改造とガタ対策