09.07.08 改訂
09.06.27 制作

25. 自由雲台を使った軽量ボールヘッドジンバル 
ジンバル型の雲台システムはバランスに優れ、フリーストップでブレの発生が少ないシステムです。前にもシーソー型、KDS改造型と制作し、KDS改造型ジンバルは微動とバランスを両立した最高に使いやすいシステムに仕上がり大変重宝しています。
更に望む物として、フィールドを長時間歩き回った時の重量感と持ち運びの大きさでしょう。これは車移動で歩き回る事がなければ全く気にならないでしょうが、電車やバスで移動し、更にフィールドで歩き回る時は少しでもコンパクトにしたいものです。そこで今回は小型軽量の自由雲台を使い、ちょっと手を加える事で、簡単に小型・軽量な使いやすいボールヘッドジンバルに変貌する方法を紹介します。
軽量ボールヘッドジンバル
のシステム構成

雲台:BENRO B00 ボールヘッド 210g
スライドレール:BENRO PU-150 79g
三脚:Gitzo GT1541Tトラベラー 980g
スコープ:kowa TSN-664

三脚と雲台を合わせても1190gと大変軽く、雲台を付けたままでの格納性もコンパクト

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軽量ボールヘッドジンバルの操作性

ジンバル雲台としての操作性は、小型軽量ながらジンバル特有のフリーストップを実現し、動きは大変スムーズです。KDSのような微動が無いのが残念ですがこの大きさでは十分妥協出来ます。
水平方向の重心が三脚のセンターからずれおり理想的ではありませんが、使用上問題ない範囲と思われます。

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自由雲台 BENRO B00 ボールヘッド

三脚の携帯性に合わせ、210gの小型なBENRO B00 ボールヘッドを選択。
選択のポイントして、*1:トルク調整が操作しやすく、水平、垂直と独立したロックノブ、スライドレールは40mmから150mmまで長さが揃っておりちょっと見にくいが水平の角度表示まであります。
耐荷重6
kg

*1:B00型は固定ノブですがトルク調整として十分動作しました。

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三脚 Gitzo GT1541Tトラベラー
選択のポイントとして重量970gで耐荷重8kgと小型4段のわりにしっかりしていて80mm口径のスコープも搭載可能です。足を180度開く事で雲台付きでもコンパクトに収納ができます。

伸高:113 cm 全伸高:134 cm 最低高:17.5 cm 最大耐荷重:8 kg
材質:carbon fiber 6X 格納:41 cm 脚段数:4段 自重:0.97 kg

使用時のGT1541T 拡大 収納時のGT1541T 雲台込み1190g 拡大
ジンバル化の追加工
ボールヘッドの直角調整

ボールヘッドは上向きで使うのが普通で横に倒した場合、直角にならずにやや下向きになってしまいます。
写真の矢印部分にジュラコン材のスペーサー(約2mm)を入れ、瞬間接着剤で固定し、直角になるように調整します。
パーンハンドルは差し込み式で固定部はスライドレールに取り付けました。

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大型レンズの搭載
軽量システムのコンセプトに反して大型レンズを搭載する場合、自由雲台を横向きにしてジンバル型で使用するか、通常通り上向きでセットして使用感をテストしてみましたが、やはり横向きの方が操作がし易いでした。
ただやや無理がある様で重量は3Kg程度に抑えた方が良いと思えます。
重量レンズを搭載する場合は、雲台を同シリーズのB0、B1耐過重12Kgをお勧めします。
横向きセット 拡大 縦向きセット 拡大
通常の使用法

通常ははボールヘッドは上向きで使うのが普通で、もちろん縦、横どちらでも使用できますので、ちょっと小型カメラでの風景や400mmクラスの望遠レンズにも共用で使用出来ます。
市販のジンバルは縦型マウントでこれが以外に難しい。

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使用上の注意:
 
三脚は『重くガッチリしたものが安定感が高くブレにくい』というのが一般的な考え方ですが、今回はそれに反してかなり軽量化していますので、剛性が高くても外部からの風や指先の操作での振動はより敏感に伝わりブレの原因になります。シャッターを切る時は極力機材に触れない様に注意する必要があり、防震構造のシーソーレリーズが効果的です。

また、重心のセンターが三脚の中心軸とずれていますので、強風時や足場の悪い場所では転倒に注意が必要です。三脚の足1本を重心のかかる左向き置くなど、また固定して観察する場合はセンターポール下部にウエイトを付けると効果的でしょう。

まとめ:
 
フィールドで使用しての第一印象は何と言っても軽いの一言です。今までの1228+KDSと比べ約1Kg 軽量(三脚+雲台)になり歩き回っても肩の負担がまったく違いました。
持ち運びも41cmと約25cm短くなりカバンに入れる事も可能になりました。
肝心の操作性の第一印象は、やはり
KDS慣れしていた様で、もうちょっとの微妙な調整で微動ノブが無いのが残念に感じます。
ボールヘッドジンバルの操作性が悪いのでなく、改めてKDSの操作性の良さを実感しましたが、本システムの自由雲台を横向きにするだけであまりにも簡単に軽量のジンバル構造になり、ビデオ雲台を使うよりは、フリーストップで格段に操作性は良くなっています。
また欠点のはずの重心ズレも、幸いにも仰角が、ほぼ真上まで向けられ撮影範囲を広げる結果となりました。
サンプル真 
セッカ  相模原市

ヒーヒーと特徴的な鳴き声で、近くに降りてくると小さい体型が印象的です。

TSN-664 + TE-14WD(30X) + W300
ISO-80
1/200sec F3.5
軽量ボールヘッドジンバル

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No.090704-664-W300-04534
アオバズク  町田市

樹上のアオバズクも仰角が自由で難なく撮影できました。
時々見せてくれる黄色い目が印象的です。

TSN-664 + TE-14WD(30X) + P6000
ISO-400
1/22sec F7.3
軽量ボールヘッドジンバル

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No.090705-664-P60-05537
スズメ 幼鳥  町田市

まだあどけなさの残る若鳥たちは親鳥の真似をして砂浴びをしています。

TSN-664 + TE-14WD(30X) + W300
ISO-80
1/125sec F2.8
軽量ボールヘッドジンバル

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No.090627-664-W300-04456
21. KDSマウントのジンバル改造2