08.07.20

23. KDSマウントのウインバリー風改造(参考資料) 
KDSマウントのウインバリー風改造

21.のジンバル改造で搭載し難いスコープに対応するために作成してみました。
ウインバリー雲台のように外側L型アームに重量バランス調整式の内側L型アームの構造にKDSの持つ微動を兼ね備えた雲台としてみましたが、実用性が悪く参考資料になります。

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上下の可動角度 TSN-824Mの場合    注意:スコープにより角度が変わります。
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改造KDSマウント単体
雲台ユニット

KDSのトルク調整機能と微動で動きはスムーズですが、構造的欠点として三脚取付部から外側アームと内側アームの距離が長くなりますので全体の剛性低下が発生します。
症状として824Mのように重たいスコープではスコープを動かした直後に軽いブレを感じます。

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左:変更前の上部ユニット 拡大 上部ユニットの分解写真 拡大
アームの延長にアルミ角パイプを使用

アームの延長には、理想的には剛性の強いブロック部品を使用するのが望ましいところですが、重量が重くなるため今回は20mm角のアルミパイプ使用しました。
横方向は20mm、縦方向は40mmの長さにし、ボルトは30mmと50mm SUSキャップボルトを使用し、ブロック材に比べ格段の軽量化が出来ました。

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内側L型アーム

内側L型アームには、シーソー型雲台で制作した外側のフレームを利用し、材質は5×50アルミ板で高さ108mm、横幅105mm、
マウントにはコーワ TSN-BP を使用しベルボンレールを使用しています。

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EF500mmF4.5L

重量あり重心の高かった大型レンズの場合、重心を完全に中心にもってこれませんが、動きはカナリスムーズになります。しかし雲台剛性が低くなっているため、固定時にブレが発生し、使用は難しいと思われます。耐過重3K以下が望ましいところです。

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まとめ:
 
今回のウインバリー風改造雲台をフィールドで使ってみて、フィールドスコープの重量ならほぼ全て搭載可能でバランスと動きは良好ですが、アームの延長やL型アングルでは構造的な問題があり、フリクションを緩くして使う場合はあまり気にならないでしょうが、強めの微動を使った観察には不向きで実用性が悪いと判断出来ます。

性の問題:三脚取付部からスコープまでの距離が外側フレームから内側のLアングルのによりかなり長くなり、微弱なブレの原因となる。
アームの材質で幾らか向上は可能と思えますが、更に重量と大きさが大きくなり、構造的な問題の解消は難しい。
携帯性の問題:アームを延長する分、全体の高さ、幅が増し持ち運びが不便になる。
操作性の問題:アーム延長により微動ツマミの距離が遠くなり、被写体の追従に時間がかかるようになった。

KDSマウントで3種の改造をしてみましたが、No.21ジンバル2が最も機能・操作性共使いやすい仕上がりになっています。

19. 従来のKDSジンバル風(L型アーム)改造のページ
21. KDSマウントのジンバル改造2
25. 自由雲台を使った軽量ボールヘッドジンバル
31. Kenko NEW KDS マウントKの軽量化改造とガタ対策