6.-2 改良EFレンズアダプターの制作
 EFレンズアダプターは、キャノンの一眼レフ用レンズを母体として、望遠鏡とデジスコとして利用する事を目的とします。
 6-1で制作したアダプターの改良タイプで、従来のものは、被写界深度のせいか画質がいまひとつでした。そこで、新たにマスターレンズの絞りを調整できるようにマウント部を改良したアダプターを作成しましたので、制作とテストレポートをまとめてみました。
新旧を区別するために改良型をNew−EFアダプターとしました。
デジスコとしてN−EFレンズアダプターを利用の実例
New-EFレンズアダプター組立て完成写真

従来タイプと異なるのは、レンズマウント部にケンコーテレプラスの部品を流用し、EFレンズに電源・絞りコントロールの信号をカメラ側からケーブルで供給出来るように改造しました。

改良前のEFレンズアダプター
EFレンズアダプターの焦点距離と画質について
左の写真全体が1D-Mark2に600mmレンズで30mの距離から撮影。

全体:600mm×1.3= 35mm換算 780mm

EF600mmF4LにN−EFレンズアダプターを接続+A95
絞りF4(開放)シャープさに欠ける 絞りF8 深度が深くなり画質が向上
その他の絞りテスト F5.6 F11 画像をクリックで拡大します。
EF600mmF4L(絞りF8)+1.4テレコンにEFレンズアダプターを接続+A95
1.4倍のテレコンを使用してみましたが、改良前は開放の為か画質の劣化が激しく使い物にならないと思いましたが、2段絞る事で劣化はかなり改善されました。
比較用に同じ位置からフールドスコープにA95を接続して同じ30倍のアイピースで撮影しました。







Kowa TSN-4N + TSE-14W+A95

まとめ:
改良タイプは、絞りを変化させることで、被写界深度は深くなり、画質はかなり向上しました。印象的にはこれなら使えるというところです。
画角はフィールドスコープの焦点距離がおおよそ300〜500mm程度ですので、それ以上のEFレンズをマスターにすると倍率も高くなります。
フィールドでの撮影の結果、テスト通りの倍率を得る事が出来たが、デジタル一眼で撮影したモノと比べるとシャープさに劣り、後処理でアンシャープマスクの必要がある。
2倍のテレコンもテストしてみましたが、画質はNGでした。
600mmで通常撮影中に、目立ったカモメを大きく撮りたい場合、非常に便利に使う事が出来ました。残った課題は、絞り込む事でシャッター速度の低下によるブレと撮影距離が50m程度では問題ないが、100m以上になると空
気のよどみによるボケが目立ちシャープな画像が得られませんでした。

念のためデジカメを従来から使用していたE4300でもテストしましたが同様の結果が得られました。
フィールドでの撮影サンプル1 04.10.17
フィールドでの撮影サンプル2 04.10.23