6.-1 EFレンズアダプターの制作
 EFレンズアダプターは、キャノンの一眼レフ用レンズを母体として、望遠鏡とデジスコとして利用する事を目的とします。
 通常、一眼レフ用レンズの焦点距離は、テレコンバーターを装着してもおおよそ1000mm程度で、コリメーター法のデジスコシステムの約3000mm以上には及びません。
そこで、一眼レフで撮影していながら、即座に高倍率に早変わり出来るシステムを求めていましたが、思い切って簡単な材料で作ってみる事としました。
まだ、実験的ではありますが、制作とテストレポートをまとめてみました。
デジスコとしてEFレンズアダプターを利用の実例
レンズ:Canon EF600mmF4L
EFレンズアダプター
デジカメ:Canon Power Shot A95


注意:
一部のEFレンズはカメラの電源がONでないと手動フォーカスが出来ないタイプがあり注意が必要です。

旧タイプの EF600mmF4L USM などが該当します。
EFレンズアダプターの制作
EFレンズアダプター組立て完成写真

下の写真の部品を組み立てると左の写真になります。
組み立ての注意点は、穴を開けたEFレンズキャップを塩ビジョイントに固定する際、ガタがあり隙間にスペーサーを入れしっかり固定します。
調整はEFレンズを取り付けて、遠景でフォーカスが合うように30倍Wアイピースを前後に動かして調整し、セットビスで固定します。

デジカメアダプター
Canon Power Shot A95

デジスコ用アダプターは市販のパーツを使用しました。
DA-1をEFレンズアダプターにセットする際は、塩ビジョイントの外径がやや大きいため、スムーズにセット出来るようにヤスリがけが必要です。

EFレンズを取り付けた望遠鏡仕様 A95を取り付けたデジスコ仕様
EFレンズアダプターの焦点距離について
左の写真全体が1D-Mark2に400mmレンズで30mの距離から撮影。

全体:400mm×1.3= 35mm換算 520mm
赤枠:600mm×1.3=        780mm
緑枠:600mm×1.4テレコン×1.3=1092mm
黄枠:600mm×2テレコン×1.3= 1560mm

EF400mmF4DOにEFレンズアダプターを接続+A95
A95広角側 7.8mm A95望遠側 23.4mm
EF600mmF4LにEFレンズアダプターを接続+A95
A95広角側 7.8mm A95望遠側 23.4mm
まとめ:
現段階では合成焦点距離は、EF400mmで換算3500mm、EF600mmで4500mm程度で、ほぼフィールドスコープを母体としたデジスコとほぼ同等ですが、写真のシャープネスでは劣っているように感じます。倒立像とフォーカス精度、被写界深度の浅さが大きな問題でありますが、一眼レフで撮影中にすぐに、取付が可能なメリットもあり、今後もテスト・改良したいと思います。
フィールドでの撮影サンプル
絞り操作を可能にした。改良EFレンズアダプター