13. TSN-774XDでデジスコ( E7900 )
コーワ TSN-774XD

対物レンズの口径がXDレンズで77mmの長さ304mm、重さ1,330gで77口径にしては小型のわりに満足出来るフィールドスコープで、観察からデジスコまでの万能機の感じがします。
ピントリングも軽くなり使いやすくなりましたが、重さがもうちょっと軽いと理想的です。

拡大
使用時
フードの延長加工

標準の内蔵フードは、長さ58mmと77口径のわりに短く遮光性が不十分であり、フードを引き出し式で延長加工(+60mm)する事としました。工作は1mm厚のエンビ板を湯の中で曲げ、筒状に仕上げます。内側に反射防止の植毛紙を貼り付け、外側を水ペーパーで処理し、引き出し時のストッパーを貼り付けて仕上げました。
また、同時に簡易照準器を取り付けました。

写真はフードを延長した使用時(上)と格納時(下)の状態です。
この方法だと邪魔にならず持ち運びに便利だと思えます。

格納時
使用するアイピースについて

アイピースは、新シリーズ用に高性能化された 30XW、20-60Xズームなどがありますが、予算不足のためまだ入手していないため、純正のアイピースコンバーターで TSE-14WD と NKAアダプターを使って Nikon 50XWDS、30XWDS でとりあえずテストしてみる事としました。

NKAアダプターを使用した場合、TSN-4N、TSN-604ED、APO-TELEVID 77 では、遠距離(無限遠)のフォーカスが出来ずに、約70m〜200m程が限界でした。

今回、TSN-774XD では、スコープの個体差なのかわかりませんが、無限遠の月の撮影がOKとなり、無限から近距離側が約5mと問題なくフォーカスが出来たのには驚きました。Nikon系アイピースが問題なく使用出来れば、アイピースの選択肢が格段に広がります。

拡大 TSN-VA2-CR+NKA+50XWDS+E7900
こちらは昼間の月を TSN-660/600 シリーズ用のアイピース TSE-14WD で撮影してみました。
アイピースの接続にはアイピースコンバーター Kowa TSN-EC3 で接続し、デジスコ用アダプターの接続にはコンバーターリング Kowa TSN-VA2-CR を取り付け、ターボアダプターP1を取り付けました。
TSN-VA2-CR+TSN-EC3+TSE-14WD+P1+E7900
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注意:今回のNKAアダプターでの無限遠の成功は、スコープの個体差のせいかもしれませんので、全ての製品で無限遠が保証されているものではなく、使用可能かどうかは判断できませんので注意してください。
撮影方法と表示画像について

被写体は高さ11cmのぬいぐるみのフクロウ君になってもらい、距離15mの位置で撮影しています。
カメラは Nikon COOLPIX E-7900 を使用して、ワイド端・中間・テレ端とで撮影しています。
表示画像は、ノートリミングの状態で撮影画角を確認できます。各々の画像をクリックすると中心部の拡大画像が表示できます。拡大画像は1/2にリサイズした画像の中心部を600×450ピクセルに切り出し、一定のシャープ処理をしています。

TSE-14WD (35倍) TSN-774XD+TSN-EC2+14WD+P1+Oリング3mm+FSB-1A+E7900
ワイド端 7.8mm 中間 14.9mm テレ端 23.4mm
合成焦点距離 1330mm 合成焦点距離 3990mm
Nikon 30XWDS (29倍) TSN-774XD+TSN-VA2-CR+NKAアダプター+24XWDS+FSB-1A+E7900 
ワイド端 7.8mm 中間 14.9mm テレ端 23.4mm
合成焦点距離 1102mm 合成焦点距離 3306mm
Nikon 50XWDS (48倍) TSN-774XD+TSN-VA2-CR+NKAアダプター+50XWDS+FSB-1A+E7900
ワイド端 7.8mm 中間 14.9mm テレ端 23.4mm
合成焦点距離 1824mm 合成焦点距離 5472mm
77mm口径スコープの感度・階調比較  NKAアダプター+30XWDS+FSB-1A+E7900(ズーム中間) 
Kowa TSN-774 XDレンズ Kowa TSN-4N フローライト Leica APO-TELEVID 77 フローライト
1/362sec f6.3 1/330sec f6.3 1/367sec f6.3
3種のスコープで感度の差は、ほぼ同一の誤差内に思えますが、TSN-774の焦点距離が500mmに伸びた結果、他機より倍率が高く、やや被写界深度が浅くなっています。その分を考慮すると光学系の透過率が向上し、やや感度は有利になっているように思えます。
白から黒までの調子再現は APO-TELEVID 77 がハイライト側のコントラストが低いのが目立ちますが、白飛びが発生しにくく、画像加工で好みの調子に仕上げられる事が出来るため、白っぽい被写体には有効かもしれません。
XDレンズは色収差が良好に補正されていますが、全体的な解像感は他機に比べやや劣る結果となりました。
異口径スコープの感度・階調比較  NKAアダプター+28XWDA+FSB-1A+E7900(ズームW端) 
Kowa TSN-774XD (77mm) Kowa TSN-604ED (60mm) Kowa TSN-824 (82mm)
1/770sec f4.8 1/592sec f4.8 1/737sec f4.8
3種のスコープで感度の差は、60mm口径のTSN-604がやや低下するものの、その差は1段以内で思ったほどの感度差は感じない結果となりました。
3種のスコープで差を感じるのはスコープの焦点距離による倍率の差で、774が500mm、604が420mm、824が450mmと焦点距離の長い774の倍率が高く、被写界深度が浅いのが目立ちました。画質は今回の結果からは、約10m程の近距離ではどれも満足できる結果で大きな差は感じられませんでしたが、フローライトの実力で824が頭部のブルーの滲みが少なく良い結果です。
サンプル画像
カワセミ

ニコンDSアイピース 30XWDS で撮影しています。

TSN-774XD+TSN-VA2-CR+NKAアダプター
+30XWDS+FSB-1A+E7900
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07.01.04 No.E79-04723
スズメ

ニコンDSアイピース 50XWDS で撮影しています。

TSN-774XD+TSN-VA2-CR+NKAアダプター
+50XWDS+FSB-1A+E7900
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06.12.30 No.E79-04547
ジョウビタキ

660/TSN シリーズアイピース
TSE-14WD で撮影しています。

TSN-774XD+TSN-VA2-CR+TSN-EC3+TSE-14WD
+P1+E7900
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07.01.01 No.E79-04645
カワセミ

Turbo Adapter アイピース
20XWFA で撮影しています。
W端ではケラレが発生します。

TSN-774XD+TSN-VA2-CR+NKAアダプター
+20XWFA+FSB-1A+E7900
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07.01.10 No.E79-05067
モズ

Turbo Adapter アイピース
28XWDA で撮影しています。
実倍が33倍となるため、これが標準アイピースになりそうです。

TSN-774XD+TSN-VA2-CR+NKAアダプター
+28XWDA+FSB-1A+E7900
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07.01.28 No.E79-05849
まとめ
TSN−774はデジスコ画像が決して最高ではありませんが、実写テストからも十分使える範囲内であり、大きさが小さくなり、軽いダブルリングによるフォーカスのしやすさなどの操作性は、十分評価出来、使いやすいスコープに仕上がっています。
また、774を支えるための雲台はトータル重量を抑えるためにフィールドではG2180を使い、テストではG2380を使用しましたが、G2180でも使用出来ますが、やや力不足を感じ、あと200g程軽量だとベストだと感じました。