11.8.31 追加
探 鳥 日
 2010年11月6日(土曜)
場 所  銚子漁港(第2・3漁港)
天 候  晴れ
主な鳥種 ミツユビカモメ(1)、セグロカモメ(○)、ウミネコ(○)、オオセグロカモメ(△)、ユリカモメ(○)、バードウオチャー(3)
ま と め  今日は風もなくポカポカ陽気で、台風もあり3週間ぶりの銚子になりましたが、セグロカモメが多く入ってきて移動時期の個体でにぎやかになってきました。また、標識の付いたミツユビカモメも見られて楽しい鳥見となりました。
ミツユビカモメとセグロカモメ

今シーズン初めてのミツユビカモメです。セグロカモメと並んで、こんな風景を今シーズンも楽しみです。
ミツユビカモメの右足には青白青の標識が付いていますが何処で付けられたか気になるところです。

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No.101106-774-S95-00221
標識ミツユビカモメ 冬羽に移行中   頭部はまだ白っぽく初列は摩耗した旧羽が目立ちます。羽繕いをしたり、頭かきをしたりと愛嬌のある姿を見せてくれました。
No774-S95-00068 拡大 No774-S95-00148 拡大 No774-S95-00147 拡大
No774-S95-00111 拡大 No774-S95-00135 拡大 No774-S95-00092 拡大
カラーリングの調査結果 11.08.31 追加

 山階鳥類研究所を通じてこの個体の調査をして頂いた結果、アラスカ科学センター スコット博士が18年前の1992年6月30日にミツユビカモメの繁殖地のオホーツ ク海北部ロシアのタラン島での調査訪問時に標識放鳥した繁殖中の雄成鳥との貴重な調査結果が得られました。

スコット博士よりミツユビカモメは5歳以上になって繁殖を行うので、昨年の撮影時点で23歳以上の老鳥と考えられ、写真から磨耗した羽が興味深く老鳥の特徴と一致するとの事です。

銚子漁港では、今回の個体のように大きく磨耗した個体を多く見かけ疑問に思っていましたが、喚羽時期の異なったタイプとも考えていましたが、今回の貴重な調査結果から、この個体が23歳以上の長寿の老鳥であることに驚かされました。
銚子漁港に入ってくるミツユビカモメの多くが、やや体力が低下したせいか、海上の集団と行動を別にする老鳥が多い可能性が有ると思えます。

今回の調査では山階鳥類研究所の大きなご協力を頂き特定に至りました。

また、スコット博士のご了解を得てメールを掲載しております。


Hi all,
I think I have solved the riddle of the color banded kittiwake sighted in Japan. In 1992, Bay Roberts and I visited and worked with Sasha and Luba Kondratyev on Talan Island in the northern Sea of Okhotsk. We color-banded some 280 adult kittiwakes there according to my records. The first 109 birds had a steel band on the left leg and three color bands on the right leg. However, we then apparently ran out of steel bands and continued to band with just a three-color code on one leg (left or right)--not the best thing to do; I don't remember what exactly was the decision process. In the banding list, I do find a bird banded as -/bwb (nothing on left leg, blue-white-blue on right leg). It would make sense that birds banded on Talan Island would show up in Japan in winter.

If this is the correct explanation (and I think it must be), then this bird was banded on 30 June 1992 at Talan Island (59o, 18' N, 149o, 05' E). No record of whether it was breeding, but as I recall all birds were caught off nests during incubation (using noose poles), so it almost certainly was a breeder. Large measurements (wing chord 340 mm, culmen 39.0 mm, diagonal tarsus 34.7 mm, weight 490 g) suggest is almost certainly was a male.

Given that when it was seen in Japan it had been 18 years since this bird was banded, and that it was a breeding adult when banded (i.e., probably > 5 years old), the bird was likely > 23 years old when sighted. It's interesting that the bird in the photo is somewhat scruffy looking (wing feathers a little off-color and ragged), consistent perhaps with its being an old, senescent bird. We have a similar-aged female on Middleton (a female > 24 years old) which also looks a little bedraggled (feathers on the head thinning a bit). As we get more and more known-age old birds in our study populations, perhaps this is what we can expect to see increasingly often.

Best,
Scott A Hatch

セグロカモメ 成鳥冬羽

セグロカモメは普通に見られるように集まってきています。
この時期は冬羽への移行時期で、換羽の早い個体と遅い個体が見られます。この個体は綺麗な茶班が表れていてかわいらしく見えます。

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No.101106-774-S95-00388
セグロカモメ 成鳥夏羽

この個体は、換羽が遅く、まだ頭部は白く、嘴の黄色の冴えており、初列は旧羽が目立ちます。

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No.101106-774-S95-00302
セグロカモメ 幼羽

体色の濃いセグロカモメの幼羽の姿も多く見られました。

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No.101106-774-S95-00348
タイミルセグロカモメ 成鳥夏羽

足が黄味のホイ系は今日は少なかった。
換羽時期は遅く、ほとんど夏羽の姿です。
カモメ識別ハンドブック改訂版によりタイミレンシスをタイミルセグロカモメとしました。

No.101106-774-S95-00341
オオセグロカモメ 幼羽 この個体は大きな鱗模様で目立ちました。 
No.101106-774-S95-00258 拡大 No.101106-774-S95-00266 拡大
ユリカモメ 成鳥冬羽

遅くなりましたがシーズン初めてのユリカモメです。
港内には多くの飛び交う姿が見られました。

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No.101106-774-S95-00357
今回の観察・撮影機材
デジ眼 : なし
デジスコ: TSN-774 +TE17W(30X) + S95 雲台:小型KDSジンバル
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