探 鳥 日
 2006年12月18日(月)〜20日(水)
場 所  北海道 稚内港
天 候  18.19日、雪が断続的、20日曇りのちちょっと晴れ
主な鳥種  ヒメクビワカモメ(1)、コオリガモ、オオセグロカモメ(○)、シロカモメ(○)、ワシカモメ(△)、カモメ(△)、セグロカモメ(△)、ユリカモメ(1)、クロガモ、ヒメウ、ウミスズメ
ま と め  最北の町、稚内港には、銚子では数が少なく小さめのシロカモメが目立っていましたので、本場のシロカモメ成鳥冬羽の姿を観察したい目的で出かけました。
 稚内港では銚子港とカモメの種の構成が全く異なり、約7割がオオセグロ、2割がシロカモメ、+他種で、セグロ、ユリ、ウミネコの姿はほとんどありませんでした。
名物のコオリガモは『アオーア』と大きな声で鳴いていますし、偶然にも北極の天使・ヒメクビワカモメに奇跡的に出会えたのは感動的でした。
稚内港の風景1 最北端の稚内港は、利尻島・礼文島やサハリンのフェリーの玄関口で、オホーツクの海産物の水揚げやロシア貿易で賑わっています。写真は稚内全日空ホテルの部屋からの眺めです。なぜか激安航空券の食事付きセットになってましたが、一人での夕食に会席料理はなんとも場違いで気まずい食事でした。
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稚内港の風景2 カモメのいる風景 こんな所を歩き回りながら観察・撮影をしていました。
港内の水産加工場の前で、おこぼれを待っているカモメたち。
真ん中のやや薄いのはセグロカモメです。ここではほとんどがオオセグロカモメで、銚子では大多数のセグロカモメはこの時期は見あたらず通過後のようです。成鳥はこの個体だけでした。
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港の端の水産加工場に近い海岸には多くのカモメ達が休んでいました。気温−7から−3℃位の環境でのじっとしたスコープでの観察はかなりこたえましたが、暖房に足裏のミニカイロが効果的でした。
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堤防の所々に小さなカモメの集団が休んでいました。
ここの堤防はではシロカモメが多く目立ちました。
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波の静かな港内では、カモメ達はプカプカとのんびり浮かんでいます。
手前はワシカモメ成鳥冬羽で奥はオオセグロカモメ成鳥冬羽でグレーの濃さが違うのがよくわかります。
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水産加工場の屋根でオオセグロカモメが食べ物を探しているようでしたが、今日は作業が無く、空振りの様子です。
長いツララが印象的です。
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稚内港の中には小さな漁港がありワシカモメが座り込んで休んでいました。
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コオリガモ 成鳥冬羽(雄)

稚内といえば何と言ってもこのコオリガモが集まる場所で有名です。港内では『アオーア・アオーオ』とよく目立つ声で鳴いています。
流氷と一緒にやって来る事から氷鴨の名前がついたようです。

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コオリガモ 成鳥冬羽(雄と雌)

普通のカモ類は繁殖羽で夏まで過ごしますが、コオリガモの雄は春にエクリプスの様に喚羽する変わった特徴を持っていますが、その時期は北に移動するためなかなか見られないようです。

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シロカモメ 成鳥冬羽

今回の観察目標のシロカモメです。銚子で見ていると小さかったりなんかクセのある個体ばかりでなかなか図鑑にあるような代表的なシロカモメは見かけませんでしたが、さすがにここでは体長もやや大きく、頭部の茶斑のハッキリした個体が多く見られてすごく参考になります。

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シロカモメ 第3回冬羽

翼は成鳥と同じ薄いグレーになっていますが、嘴はまだピンク色のままです。

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シロカモメ 第2回冬羽 右の個体は肩羽がグレーになりかけていますが、左に個体はまだのようです。嘴の黒斑がややボケ始めて、目が成鳥と同じ様になっています。
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シロカモメ 第1回冬羽

今回多くの第1回の個体が見られましたが、体色の濃さには個体差が大きいように見えました。
黒目で嘴の黒斑がハッキリしていてかわいらしく見えます。

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シロカモメ 雑種 成鳥冬羽

この個体は、初列風切の黒がハッキリしています。
それ以外は通常のシロカモメと同じに見えます。

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ヒメクビワカモメ Ross's Gull 成鳥冬羽

今回奇跡的に北極の天使、ヒメクビワカモメに感動的に出会えました。
ヒメクビワカモメは、黒く小さい嘴に、大きな黒目、胸から腹にかけて薄いピンク色をしています。ミツユビカモメとかわいらしさを競っているようです。

拡大 ヒメクビワカモメの詳しいページ
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今回の北海道探鳥は当初ワイバイドのオホーツク港周りツアーを予定していましたが、人数が集まらずに残念ながら中止になり、独自で出かける事にしました。ツアー予定にはヒメクビワカモメが観察されている斜里港も含まれており会えるのを期待していましたが、独自では車移動が出来ないので、宿泊や移動(バス+徒歩)の楽な稚内に決めた経緯がありましたので、自力で探したこの出会いは感動の一言です。
ワシカモメ 成鳥冬羽

ここではワシカモメは少なく、全体の5%ほどのように感じました。それでも銚子で見るよりはるかに多く、期待していた冬羽の特徴の頭部のもやもやした茶斑の個体を見られました。

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第4回又は成鳥冬羽 頭部のもやもやの茶斑がかわいく見えます
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ワシカモメ 幼羽から第1回冬羽 体色の濃さは個体差があります。
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オオセグロカモメ 成鳥冬羽 ここ稚内では、ほとんど7割ほどがオオセグロカモメです。頭部の茶斑の濃さは個体差がありますが、銚子の個体よりやや茶斑が濃く見えます。
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オオセグロカモメ 幼羽から第1回冬羽

オオセグロカモメの第1回の個体は体色が濃いタイプから色々見られますが、この個体はすごくかわいらしく見えました。

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オオセグロカモメ 雑種 成鳥冬羽

この個体は、他のオオセグロカモメに比べ、グレーが薄く見えます。

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カモメ 幼羽

中型カモメは、ほんの少数カモメが見られましたが、この時期銚子では普通に見られるウミネコの姿が全く見あたりません。ウミネコは全て南下した後のようです。

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ウミスズメ  冬羽

ウミスズメは、小さな海鳥でフェリー航路からの探鳥では小さくてよくわかりませんでしたが、今回はヒメクビワカモメを見ていた所に現れました。近くで見られるとかわいらしい海鳥です。

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シノリガモ  雄成鳥

シノリガモは特徴のある模様でよく目立ちます。時々海中に潜って食べ物を探しています。

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クロガモ  成鳥

港内で10羽ほどの小群で行動しています。雄の黄色い嘴が印象的です。
時々水中に潜って貝類を探していました。

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ヒメウ  幼羽

港内で見かけますが、銚子ではほとんどがウミウですが、ここではウミウの姿はなく全てヒメウでした。

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今回の撮影機材は、
デジ眼に EOS-30D+EF100-400F4.5-5.6LIS、デジスコは TSN-604ED+14WD+E7900 で行いました。
今回2日目に宿泊した民宿おやど天翔は港のすぐ近くで、パソコンの貸し出しサービスがあり、部屋からネット接続ができ大変便利でした。
また、今回はあいにく天候にはあまり恵まれませんでしたが、風が少なく吹雪が無かっただけでも良しとし、目的のシロカモメも色々見られたし、奇跡的にヒメクビワカモメやウミスズメが近くで見られた等かなりの収穫がありました。
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