探 鳥 日
 2006年5月21日(日曜)
場 所  青森県八戸市鮫町蕪島
天 候  晴れ
主な鳥種  ウミネコ(抱卵からヒナ誕生)
ま と め  今日は夜行バスでウミネコ繁殖地の蕪島に行って来ました。
銚子港で冬場に見ていたウミネコ成鳥は春から夏にかけて多くが北の繁殖地に移動しています。訪問時の蕪島での孵化率はまだ約5%ほどで、殆どが抱卵中でした。生まれたての雛と抱卵の様子がよく観察出来ました。繁殖地だけに第1から3回の若鳥は少なく、巣(居場所)を持たない若鳥は何処でも邪魔扱いされて追い払われていました。
蕪島の入口
蕪嶋神社

蕪島は周囲約800mの今では陸続きになった小さな島で、1922年に国の天然記念物に指定されています。名前の由来の蕪が今では、外部から持ち込まれた黄色い菜の花で覆われるようになっています。菜の花は背が高くウミネコには住みにくそうでした。

拡大
No.KN-01005
蕪島の風景 岩場に営巣するウミネコ、島を黄色く染める菜の花
No.KN-00314 拡大 No.KN-00319 拡大 No.KN-00306 拡大
求愛行動 雌に観光客から貰ったのか、カッパえびせんをプレゼントしていました。 交尾行動 雌は尾を持ち上げて交尾を行います 縄張り争い あちこちで嘴を引っ張ったり、翼を引っ張ったりしてます
No.KN-00682 拡大 No.KN-00495 拡大 No.KN-00520 拡大
歩道に営巣・抱卵 良い場所が確保出来なかったのか、歩道で抱卵しています。観光客はウミネコを避けながら歩いています。
巣箱で営巣・抱卵 所々に木箱が置いてあります。この場所は観光客の目の前ですが居心地は良さそうです。
No.KN-00594 拡大 No.KN-00166 拡大
ベンチに営巣・抱卵 良い場所が確保出来なかったのか、ベンチにまで巣にしてしまっています。 岩場で営巣・抱卵 本来の姿でしょうか、岩の隙間に小枝や草を巣材にして作られています。
No.KN-00644 拡大 No.KN-00812 拡大
草むらで営巣・抱卵

草むらに小枝や草を巣材にして作られています。卵の周りには、やわらかい抜け落ちた羽を使っています。
抱卵は1時間から2時間で交代しながら行っているようです。

No.KN-00274
孵化直前の卵

卵の大きさは長さ6cm程で、枯れ草のような保護色をしています。数は殆どが2個ですが、1〜4個のものもありました。抱卵は約25日位で、写真左の卵のように卵が割れて嘴が見えていますが、完全に出てくるまでにあと半日から2日ほどかかるとの事です。

拡大
No.KN-00979
孵化直後の卵嘴のあるヒナ

生後間もない雛には、上嘴の先端部に殻を割るための突起状の卵嘴があり、殻から出て1週間もすると消えて無くなります。
下の写真のヒナは卵嘴が消えています。同じ巣に2羽いる場合どちらが先に生まれたかを判断できます。

拡大
No.KN-00401
親の翼から顔を出すヒナ

5月末のこの時期は、まだ孵化率は低く約5%位に感じました。5月初旬の温度がやや低く、孵化がやや遅れているとの事です。
写真のかわいいヒナは生後7日位です。

拡大
No.KN-00294
No.KN-00599 拡大 No.KN-00922 拡大 No.KN-00926 拡大
No.KN-00695 拡大 No.KN-00221 拡大 No.KN-00411 拡大
ウミネコ夏羽の姿

成鳥は初列先端の白点はほとんど摩耗して見られなくなっているので判断が難しくなっています。右の個体は頭部に薄い斑があり、雨覆いに褐色味があり第3回と思えます。

No.KN-00573 拡大 No.KN-00615 拡大
ウミネコ夏羽の姿

左:第1回、右:第2回、蕪島では繁殖地だけに若鳥は数個体のみで、若鳥に限っては今の時期は銚子港のほうが多いと思えます。

No.KN-00196 No.KN-00874 拡大
ウミネコの黒い腹

数個体の腹部が黒くなっており疑問を感じていましたが、調査員の方と話す機会があり確認しましたら、巣の調査の為に個体識別出来るようにマーキングしたとの事でした。

No.KN-00794 No.KN-00176
今回の訪問では、ウミネコの繁殖調査員の方から貴重な話が聞け、大変参考になりました。調査員の方々ありがとうございました。
次回の蕪島 06.06.30 ヒナの成長のページ
TOP 探鳥記録 目次 前回の探鳥記録 次回の探鳥記録