No.17-2 作成 2016.10.29
探 鳥 日
 2016年10月 9/30〜10/27
場 所  神奈川県相模原市、愛川町
天 候  晴れ・曇り
主な鳥種  ノビタキ、モズ、アカハラ
ま と め  相模川沿いの休耕田の草地に毎年ノビタキの移動個体がやって来ます。
ここでの移動個体が見られる時期は個体が入れ代わりながら9月末から10月一杯で、滞在期間は数日から1週間程度の短さで、ここではアオムシやバッタや蝶やトンボなどの昆虫類を食べて体力を回復させて、再び秋晴れの日に南へ旅立って行きます。
例年ノビタキを観察していても♂成鳥は容易に識別できますが、この時期の冬羽の♀や第1回の雌雄などは図鑑にも識別ポイントや写真が少なく苦労しますがまたこれが飽きない秘訣かもしれません今回もその辺に注意しながら約1ヶ月間観察してみました。
識別の参考になるかどうかわかりませんが、ノビタキ全数に対し、♂成鳥が15%、♀成鳥が20%、♂1Wが25%、♀1Wが40%位の割合で混ざっているように感じました。
ノビタキ ♂成鳥冬羽 A

♂の成鳥は黒い顔で容易に識別できます。
頸には首輪のような白班が目立ち、オレンジ色の腹部も特徴的です。

No.74593 MP4 HD動画 60秒 52M
拡大 特大 1600×1100
No.161012-80HD-S120-74516
No.161012-S120-74497 特大 No.161012-S120-74504 特大 No.161012-S120-74575 拡大
ノビタキ ♂成鳥冬羽 B   この個体も顔が黒い典型的な個体です。
No.161011-80HD-S120-74116 拡大 No.161011-80HD-S120-74290 拡大
ノビタキ ♂成鳥冬羽 C

稲の中でも黒い頭部とオレンジ色の腹部が目立ちます。
この個体は換羽時期が遅いのか頭頂あたりまで黒く目立ち夏羽の雰囲気が多く残ります。

拡大
No.161024-7D-63981
ノビタキ ♂成鳥冬羽 D   この個体もわかりやすい♂成鳥です。成鳥と1Wを識別するのに初列雨覆の先端に白班があれば幼羽とのポイントがありますが、成鳥の羽縁が細く目立ちません。また、初列風切についても羽縁はあまり目立ちません。
No.76885 MP4 HD動画 120秒 113M No.77117 MP4 HD動画 90秒 87M
No.161022-80HD-S120-76776 特大 拡大 No.161022-80HD-S120-77021 特大 拡大
No.161022-S120-76924 拡大 No.161022-S120-76973 特大 No.161022-S120-76618 特大
ノビタキ ♀成鳥冬羽 A

上側の♀の成鳥は、下側の♂成鳥と比べると顔に黒味が少なく、体色のオレンジ色は薄目で全体的にコントラストが低く、喉にオレンジ色味を帯びべたっとした印象があります。

拡大 特大 1600×1100
No.161007-7D-63192
ノビタキ ♀成鳥冬羽 B   この個体も顔のコントラスト(明暗差)が低く、喉が白っぽいのが雌の特徴のひとつと言われますが、♀成鳥は白と言うより薄いオレンジ色味に見え1Wは♀成鳥より白っぽく見え、頸には♂のようなはっきりした白班ではなくやや薄くぼやけた感じに見えるときがあるように感じます。
No.161002-80HD-S120-72666 特大 拡大 No.161002-80HD-S120-72632 拡大
ノビタキ ♀成鳥冬羽 C

この個体は顔に濃い部分が少ない典型的な♀個体に思えます。
初列雨覆や初列風切の羽縁は細く目立たずに、喉もオレンジ色味で♀成鳥と思えます。
今日は30℃を超える残暑で口を開けて耐えています、ノビタキは暑さが苦手なようです。

拡大 特大 1600×1100
No.161006-80HD-S120-73080
No.161006-S120-72998 拡大 No.161006-S120-72743 拡大 No.161006-S120-72967 拡大
ノビタキ ♀成鳥冬羽 D

♀の成鳥と1Wを見分けるのに初列雨覆の羽縁の白い巾がポイントになりますが、フィールドでなかなか観察できなかったり羽縁にも個体差があり判断が難しい場合があります。
成鳥は顔のコントラストが低い以外にも背のコントラストも1Wより低く感じ特にこの個体は喉がオレンジ色味でコントラストが低く見えます。

拡大 特大 1600×1100
No.161012-80HD-S120-74616
ノビタキ ♂第1回冬羽 A、B   この個体、顔に黒味が♂の成鳥と♀の中間的な感じで頸の白班も薄く、初列雨覆や風切の羽縁は白く巾も広めで目立ちますので♂の第1回と推測できます。
No.161019-80HD-S120-76279 特大 拡大 No.161024-80HD-S120-78152 特大 拡大
ノビタキ ♂第1回冬羽 C

遠目に♂の1Wを見ると♂の成鳥ほど顔が黒くないけれど、全体のコントラストが♀1Wと比べ高く見えるように感じます。

拡大
No.161024-7D-63956
ノビタキ ♂第1回冬羽 D   この個体、大雨覆の白班が大きく目立ちます。顔がまだらに黒っぽく風切の羽縁が目立ちます。
No.160930-80HD-S120-72480 特大 拡大 No.160930-80HD-S120-72500 特大 拡大
ノビタキ ♂第1回?冬羽 E

この個体、胸のオレンジ色が目立ち♂の成鳥のように見えますが、成鳥にしては顔の黒が少なく見え第1回かなと思えます。
悩ましい個体です。

拡大 特大 1600×1100
No.161018-80HD-S120-75872
ノビタキ ♂第1回?冬羽 F

この個体、顔がやや黒っぽく、胸のオレンジ色に頸の白班が目立ち♂個体だとわかります。
風切や初列雨覆の羽縁の白班も目立ちます。

拡大 特大 1600×1100
No.161022-80HD-S120-77039
No.161022-S120-76848 特大 No.161022-S120-77076 特大 No.161022-S120-76701 特大
ノビタキ ♀第1回冬羽 A〜D

顔は成鳥に似て濃い部分が少なくコントラストが低く見え♀個体だと判断出来ますが、成鳥と1Wを見分けるのに初列雨覆の羽縁が成鳥では巾が細く線のように見え、1Wでは白く巾が広めで、風切の羽縁の色も白っぽく目立つように思えます。

拡大 特大 1600×110
No.161024-7D-3893
No.161002-S120-72521 特大 No.161011-S120-74410 特大 No.161006-S120-72854 特大
ノビタキ ♀第1回冬羽 E

♀の第1回の個体は、ノビタキの小群の中でも比率的に40%程と最も多く含まれているように感じます。
この個体は小さなバッタなどを繰り返しよく食べていました。

拡大 特大 1600×110
No.161016-80HD-S120-75130
No.161016-S120-75188 特大 No.161016-S120-75075 特大 No.161016-S120-75097 特大
No.161016-S120-75555 特大 No.161016-S120-75547 特大 No.161016-S120-75366 特大
ノビタキ ♀第1回冬羽 F   人に対しての警戒する距離は人影を極端に嫌う個体から、平均的には15m位なら接近を許す個体が多いように感じますが、この個体は珍しく極端に警戒心が少なく観察していると直ぐ近くまで寄ってきました。人なつっこくて、あどけなさがかわいらしい個体です。
No.161023-80HD-S120-77718 特大 拡大 No.161023-80HD-S120-77668 特大 拡大
No.161023-S120-78117 特大 No.161024-S120-78126 特大 No.161024-7D-63987 特大
ノビタキ ♀第1回冬羽 G   ♀個体は喉が白いと言われますが、コントラストの低い♀成鳥は胸のオレンジ色がやや薄くなったように見え、第1回ではさらに白っぽくなったように見えるように感じます。
No.161027-80HD-S120-78471 特大 拡大 No.161027-80HD-S120-78485 特大 拡大
ノビタキ ♀第1回冬羽 H

ノビタキを見る時風切の巾と色がわかりやすいようについ後姿を期待してしまいます。
識別しやすい翼を広げた写真を期待しますが今シーズンはブレやフレームアウトでうまく撮影出来ませんでした。

拡大 特大 1600×110
No.161019-80HD-S120-76162
No.161019-S120-76410 特大 No.161019-S120-76218 拡大 No.161019-S120-76275 特大
ノビタキ ♀第1回冬羽 I

杭の上で、膨らんだ姿でしきりに羽繕いをしている姿がかわいらしかった。

No.75898 MP4 HD動画 60秒 62M
No.75899 MP4 HD動画 60秒 58M
No.75900 MP4 HD動画 60秒 54M
拡大 特大 1600×1100
No.161018-80HD-S120-75906
写真で見ると顔が黒っぽく♂個体のように見えますが、風で羽毛が逆立っている時や羽毛を膨らませている時など羽毛の内側が黒っぽく見えてきますので、雌雄の判断には予め内側が黒い事を考慮する必要がありそうです。
No.76110 MP4 HD動画 90秒 80M
拡大 特大 1600×1100
No.161018-80HD-S120-76097
ノビタキ 雌雄不明第1回冬羽 

この個体、目の後あたりの黒色部が♀にしては多く見え、初列雨覆の羽縁も成鳥のように細いようななんとも判断の難しい個体です。
喉がオレンジ色味になっていないので♀成鳥ではなく、♀第1回か♂第1回が考えられるが、雌雄の判断は目の後の黒っぽい部分が羽毛の色なら♂、羽毛の内側が見えていれば♀1Wと想像できますが難しい。

拡大 特大 1600×110
No.161018-80HD-S120-75818
ノビタキ 雌雄不明第1回冬羽 

この個体、初列雨覆は羽縁が広く白っぽく見え第1回とは判断出来ますが、顔の黒が多いように見えますが、喉は白く♀個体のようです。
顔の羽毛が抜けて黒っぽく見えるだけかもしれませんが難しい個体です。

拡大 特大 1600×110
No.161027-80HD-S120-78423
ノビタキ♀成鳥冬羽とモズ♀  JIF動画
No.161015-80HD-S120-74824
モズ ♂

相模川沿いのノビタキの立ち寄る休耕田にはモズが多く縄張りをもっています。
似たような食べ物を食するノビタキが縄張りに侵入しても気にする様子はないようです。

拡大 特大 1600×110
No.161016-80HD-S120-75422
No.161016-S120-75472 特大 No.161016-S120-75456 特大 No.161016-S120-75440 特大
ホオアカ

ノビタキが移動して少なくなってきた10月後半からノビタキに変わるようにホオアカがやって来ました。

拡大 特大 1600×110
No.161024-7D-64052
スズメ

稲穂のそばにはすずめの姿が見られますが、なぜか近くのこの木がお気に入りで、多くのすずめたちが様子を伺って待機していました。

拡大 特大 1600×110
No.161021-80HD-S120-76553
ノビタキ冬羽に関しては識別が難しく勉強しながら経験を重ねている状況で、本ページの解説等は私的感想になりますので全てを鵜呑みにせずに参考資料としてご覧下さい。
また、間違いご意見等がありましたらメールにてご連絡をお願いいたします。
今回の観察・撮影機材
デジスコ: STM-80HD + 25-50XW + S120
デジ眼 : Canon EOS-7D EF100-400mm F4.5-5.6 IS
TOP 探鳥記録 目次 前回の探鳥記録 次回の探鳥記録