2013.11.16 写真追加
探 鳥 日
 2013年10月末〜11月 
場 所  東京都町田市
天 候  晴れ・曇り
主な鳥種  コサギ 暗色型 成鳥冬羽(第二回)
ま と め  昨年に変わったコサギが近所にいると話を聞いていましたが、観察の機会を逃していました。
今回は多摩川でコサギの暗色型が9月から10月中旬まで観察されたとの話もあり同一個体かなと考えながら観察していると、昨年の個体、多摩川の個体と今回の個体と足指の黒い模様が一致する事から同一個体と確認出来、昨年の幼鳥が成鳥の姿で境川にに再び戻ってきたようです。
歩いて見に行ける近所に居着いてくれて、近くでゆっくり観察できるので、長期観察が楽しみです。
コサギ 暗色型 成鳥冬羽(第2回)

体色全体がグレーで、一目で普通の白いコサギと違いがわかります。
9月に多摩川で撮影された写真を見ると冠羽が2本ありましたが、今回は1本脱落し、やや退色した冠羽が1本になっています。同様に背と胸の飾り羽もやや茶色く退色しています。

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No.131103-774-S120-08326
ここでの行動は、餌場としてここにやって来て、堤の魚道で巧みに大きなオイカワを捕らえる姿が見られます。
同じ場所では普通の白いコサギ、アオサギ、ゴイサギとライバルがいますが、何故かこの個体は魚取りが3倍位上手で大きいのを捕らえています。
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No.131103-774-S120-08407
魚道では、ライバルとの場所取りがあり、この個体は性格が温厚なのか、雌個体?で体格がやや小さいせいか同じ白いコサギにも追われてしまっています。
他のダイサギ、アオサギや小さいゴイサギ、幼鳥のホシゴイにまで追われている始末で、たまにカルガモやコガモにやつあたりをしているような場面も見られました。
安心できる距離は2m位のように見えますが、相手
の気分次第のようです。
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No.131103-774-S120-07606
No.131111-30D-15205 拡大 No.131113-S110-12423 拡大 No.131106-30D-15004 拡大
体色は全体的にグレーで、部分的なムラはなく、銚子のカモメでも希に見られる部分的な白化個体とは違っており、クロサギの中間個体にみられる白い体色の中に黒い部分が点在するなどの様子も無く、中間個体や黒化個体ではないと思われます。
詳しい方のアドバイスで、普通の白いコサギでも遺伝子に存在する暗色型の部分が極めて低い確率で偶然に現れたものではないかとの助言を頂きました。
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No.131031-5D-03708
No.131107-30D-15080 拡大 No.131106-30D-15014 拡大 No.131107-30D-15105 拡大
海外サイトにある暗色型 (Egretta garzetta) の写真を見ると、嘴や足の色や長さ、グレーの濃さなどかなりこの個体と違うように見えましたが、下嘴から喉や頬が白っぽくなっている部分はこの個体と同じ傾向が見られます。
足指は黄色く普通のコサギと同じですが、黄色い部分に黒い部分があり、この場所で個体識別に役立ちます。
また、普通のコサギの眼先が黄色いのにこの個体は黄色い部分が少なく眼先も黒味を帯びています。
偶然、口を開けたら舌が見え暗色型とは関係ないですが、舌の逆流防止で捕らえた魚を逃がさずに飲み込みやすくなってるみたいです。
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コサギ 暗色型 幼鳥(同一個体)   

今回の暗色型個体は境川では12年9月から観察されており、足指の黄色い部分の黒い模様が一致するので同一個体と判断できます。
12年の9月(写真左)では足は薄い部分が多く、冠羽は凄く短く、背や胸の飾り羽はなく、頭部から頸にかけて薄いグレーで現在のような濃さはなく全体が現在より薄く見えます。
13年4月(写真右)では足が現在と同じ黒くなっていますが、足指はやや黄緑色味にも見え、飾り羽はまだ見られませんが、顔の模様が現在のような白っぽい部分が見分けられます。

写真は境川で観察を続けられている関口氏のご厚意で写真をお借りして掲載させて頂きました。

No.120920-S.S-01 拡大 No.130414-S.S-02 拡大
参考資料 クロサギ(黒色型) 銚子市

銚子でお馴染みのクロサギですが、体色のグレー濃さは濃く、グレーというより黒といった感じに見え、足は黄緑色をしており、顔には模様はなく一様に黒くなっています。

06.11.17 銚子黒生 No.E79-03488
魚道での食事が一段落すると、餌場が見下ろせる電柱で30分ほど休憩をしています。
ここでは羽繕いをしたり
、遠くを警戒したりしています。
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この白とグレーの2個体、ほとんど一緒に行動をしています。
行動をリードするのは白い個体で、餌場の魚道、上流の堤に移動する時や電柱で休憩する時などほとんど近くにいます。
仲が良さそうでいながらグレーの個体がそばに寄りすぎると直ぐにあっち行けと追い払います。
仲が良いのか悪いのか、親兄弟の関係か気になる存在です。
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魚道でオイカワを捕らえました。
しかもこんなに大きい。
境川にこんなに大きなオイカワが居たのにも驚きです。
この子餌取りのセンスはかなり上手です。

時々足の色が白く見える場合がありますが、乾くと白っぽく見えてきます。

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No.131031-774-S120-07153
魚道では何気なく水面を見ている時と、写真の様に本気モードで捕らえようとしている時があります。
観察していると段々捕らえるタイミングがわかってきました。
タイミング良くオイカワを捕らえる姿を撮影出来ました。 No.7224 HD動画 30秒 (29.5M) 
No.131114-774-S110-12692 拡大 No.131031-774-S120-06984 拡大
今回は、歩いて行ける近所のフィールドで観察も長期になりそうなので、写真もその都度入れ替えようと思います。
カモメの場合は種によってグレーの濃さに微妙な差があり、年齢による変化はかなり少ないと思えますが、この個体は年々グレーの濃さが濃くなっていくのか、また婚姻色になるまで見られると嬉しいのですが興味ある個体です。

いろんな姿を掲載しておきます。

No.131106-30D-15011 拡大
No.131106-30D-14993 拡大 No.131107-30D-15068 拡大 No.131106-30D-15015 拡大
No.131106-30D-15006 拡大 No.131106-30D-15017 拡大 No.131106-30D-15026 拡大
No.131105-5D-03831 拡大 No.131105-5D-03762 拡大 No.131031-5D-03707 拡大
No.131103-S120-07540 拡大 No.131031-S120-07042 拡大 No.131031-S120-06836 拡大
No.131103-S120-08507 拡大 No.131031-S120-07073 拡大 No.131103-S120-08425 拡大
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No.131031-S120-06862 拡大 No.131031-S120-07001 拡大 No.131031-S120-07266 拡大
今回の観察・撮影機材
デジスコ: TSN-774 + TE17W + S120
デジ眼 : Canon EOS-5D 28-300、EOS-30D EF200mmF2.8L、EF70-300mmF4.5-5.6DO IS
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