9.フィールドスコープの絞り効果
 アポテレビット77を使用して、フィールドスコープの絞り効果をテストしてみました。
フィールドスコープにはカメラの様な可動絞りがありませんので、接続したデジカメ側での絞りコントロールと対物レンズ前に取り付けた絞りリングアダプターによりテストを行って、被写界深度による前後のボケ味の変化をチェックします。
アポテレビット77に絞りアダプターを取り付けた様子
絞りリングアダプターは市販のケンコーのフィルターアダプター77mm→52mmを使用し、追加工で対物レンズ側の面に植毛処理を行いました。
注意:植毛処理を行わない場合は、ハレーションが発生し、コントラスト低下やシャープネス低下が起こり、前テストでかなり悩まされました。
デジカメのみで絞り変化した場合 デジカメ:SONY DSC W7
開放絞り f2.8 絞り f5.6
1/1000sec f2.8 拡大 1/320sec f5.6 拡大
絞りリングアダプターを取り付けた場合  (上下の写真で比較下さい)
開放絞り f2.8 絞り f5.6
1/500sec f2.8 拡大 1/250sec f5.6 拡大
まとめ

絞りリングアダプターは、デジタルカメラ側での絞り変化より、十分な効果が得られました。デジカメのみの場合は、f2.8からf5.6で2段分の絞り変化で、やや被写界深度は深くなるもののその差は、かなり少ない結果となりました。
また、絞りリングアダプターを取り付けた場合は、光量が約1段分低下しましたが、深度はデジカメ側の2段変化した場合より深くなり、十分良好な効果が得られる結果となりました。
今回の結果より、大口径のフィールドスコープで不利とされる被写界深度の浅さやシビアなピントの問題が絞りリングアダルターを取り付ける事で、幾らかでも失敗を減らせるかと思います。

注意

前テストの段階で、十分な効果が得られませんでしたが、取り付けたリングと対物レンズとの間でフレアが発生していたためでした。同様の加工を考える場合は、反射防止に植毛処理が効果的で、さらにフードの使用を心がけると良い結果になると思えます。