5. デジタル一眼の回析現象はどのくらいあるのか?
 デジタルカメラでは、アナログカメラではほとんど目立たなかった撮影レンズの回析現象(絞りによる乱反射によるボケ)が絞りの変化などにより顕著に現れます。
レンズ固定式のコンパクトデジタルカメラでは、回析現象を目立たせない為に絞りの調整範囲が狭くなっています。
デジタル一眼の場合、レンズをアナログカメラと共用していますので、絞りすぎると回析によるボケが発生します。
今回のテストでは各種のレンズで、絞り値を変化させ、ピクセル等倍画像でボケを比較してみます。
機材A デジタル一眼レフ Canon EOS-1D Mark2
ノートリミングのテストチャート全景。

堤防に大きさ250mm×190mmのチャートを取り付けて撮影しています。

各撮影レンズでカメラ位置を前後に移動し、同じ大きさになるように撮影しています。
撮影はJPEGで、シャープ設定を3に設定しています。
(0〜5)

テストチャートの赤枠部分をピクセル等倍にトリミングして比較資料としています。
撮影後の画像にはシャープマスク等の画像加工は行っていません。
撮影テストに使用したレンズ

レンズ名をクリックするとテスト結果を表示します。

EF17-35mm F2.8 L USM EF24-85mm F3.5-4.5 USM
EF50mm F2.5 MACRO EF85mm F1.8 USM
EF200mm F2.8 L USM EF70-200mm F4 L USM
EF300mm F4 L IS USM EF35-350mm F3.5-5.6 L USM
EF400mm F4 DO IS USM EF400mm F4 DO IS USM +EF1.4×
EF400mm F4 DO IS USM +EF2×
EF600mm F4 L USM EF600mm F4 L USM + EF1.4×
EF600mm F4 L USM + EF2×
 今回のテストでは、ほとんどのレンズで絞りが開放だとあまい画像となり、絞りを約2〜3段ほど絞り込んだところが、最もシャープな画像となります。
さらに絞り込むにつれて徐々に回析現象によりボケが発生し、最大絞りから2段ほどはボケの傾向が顕著に現れます。

また、回析現象以外にもフレアやゴーストによる画質低下にも十分注意が必要で、明るい場所以外でも、できる限りフードを付ける必要があります。