7.テレコンバーターの画像について
 望遠レンズと一眼レフカメラの間にセットする事で、手軽に望遠効果が得られるアダプターレンズです。
倍率は1.4倍〜3倍程度まで、各社から発売されています。
今回のテストでは、30m先のカモメの撮影を想定し、マスターレンズに、EF600mmF4L IS を用いて各種テレコンバーターで撮影を行ってみました。
テストに使用した各種テレコンバーター
1.EXTENDER EF 1.4×?
(純正新タイプ)

2.EXTENDER EF 2×?
(純正新タイプ)

3.EXTENDER EF 1.4×
(純正旧タイプ)

4.EXTENDER EF 2×
(純正旧タイプ)

5.KENKO TELPLUS PRO 300 1.4×

6.KENKO TELPLUS PRO 300 3×
( AF不可 )

マスターレンズ単体での画角(ノートリミング、リサイズ)
今回のテストに使用した撮影条件

被写体までの距離:30m
被写体の高さ:約20cm
カメラ:Canon 1D-MK2
レンズ:EF600mmF4L IS

設定感度:ISO400
絞り:f8(2段絞りで固定)

テスト1.リサイズなしで、中心部の画像をチェック
1.マスターレンズのみ
2.純正1.4倍(新)
3.純正1.4倍(旧)
4.ケンコー1.4倍
5.純正2倍(新)
6.純正2倍(旧)
7.ケンコー3倍
8.純正1.4倍(新)+ケンコー1.4倍
9.純正2倍(新)+ケンコー1.4倍
10.純正1.4倍(新)+ケンコー3倍
11.純正2倍(新)+ケンコー3倍
テスト1では、リサイズをせずに中心部を500×700ピクセルでトリミングした画像でコンバーターレンズによる画像の劣化をマスターレンズのみを最良として比較判断してください。
一般的には倍率が高くなれば、解像度が低下し、シャープさが損なわれ、色にじみや内部反射によるコントラスト低下があり画質が低下すると考えられます。
結果からも3倍になると劣化はすぐに解ります。意外なところでは純正1.4倍+ケンコー1.4倍の2段重ねで予想より良い結果となった。
テスト2.鳥全体でトリミングし、同じ大きさにリサイズ
1.マスターレンズのみ
2.純正1.4倍(新)
3.純正1.4倍(旧)
4.ケンコー1.4倍
5.純正2倍(新)
6.純正2倍(旧)
7.ケンコー3倍
8.純正1.4倍(新)+ケンコー1.4倍
9.純正2倍(新)+ケンコー1.4倍
10.純正1.4倍(新)+ケンコー3倍
11.純正2倍(新)+ケンコー3倍
テスト2では、WEB上に掲載する想定での画像をチェックします。WEBでは、横300〜700ピクセル程度の大きさにリサイズした画像を多用しています。
今回のテストでは縦横500ピクセルにリサイズした画像で仕上がりを判断してください。マスターレンスのみではリサイズはありませんが、大きくトリミングされています。
トリミング率とテスト1の解像度との複合的に判断する必要があります。
テスト2の結果からは、マスターレンズ単体では、トリミング率が大きすぎ、画像は悪くNGですし、倍率が高いテレコンバーターの場合は、元々解像度が低く画質が低下しておりトリミング率は低くてもNGになります。
今回のテスト結果では、1.4倍〜2倍程度の倍率が複合的に良く見えると思えます。
主観的にはトリミング率は50%程度までにとどめ、解像度の低下を抑えたテレコンバーターの場合は、WEB上でも良く見えると思います。
まとめ:
今回のテストでは、30m先のカモメを想定してのテストでしたが、距離が近い場合ではテレコンバーターを使用しない方が良い画像を作れますが、使用する場合は、トリミング率をおおよそ50%以下に抑えるように、低い倍率のテレコンバーターを使うのは効果的です。ただし、光量低下もあり撮影には注意が必要となります。また、今回はデジスコ撮影のテストを行っていませんが、20mを超す場合は、効果的な選択肢になると思えます。