08.06.22

22. SONY DSC-W300のデジスコレポート 
SONY DSC-W300

W300は小型で1360万画素、1/1.7CCD、
2.7型モニター搭載の08年5月発売の新機種でどれだけデジスコに適しているかをテストしてみました。

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カメラアダプターSW8

デジスコ化でまず考えるのがカメラアダプターですが、良いのがありました。
フォトネットから7,800円で発売しているSW8です。セットビス4本でインナーリングで固定するタイプで光軸精度も良くガッチリ取り付きます。なによりシンプルでTA4のツマミが上にくるように回転位置を決められるのも嬉しいかぎりです。

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カメラアダプターSW8 フォトネット
アダプターの接続は、カメラアダプターSW8にF-CP885やTA-W1を接続し、TA4を接続します。
TSN-774 TE17W(30倍)に接続する場合は、DA10の目当てゴムを外し、TA4、TA4+3、TA4+5に接続します。F-CP885にあたるのでTA4の長さはどれでも変わりません。
またP2を使用する場合は接眼ゴムを外し、TA4+3に接続します。
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シーソー型レリーズステーの制作
最初にLアングルを両面デープで貼り付けましたが、カメラ正面が平らな構造からシーソー式レリーズステーを制作してみました。アルミチャンネルを加工し、傘の先の金具をシーソーに使用し、カラーの中にバネを入れて簡単に作ってみました。
防震対策レリーズとシーソによりブレ対策も万全になりレリーズを付けたままポケットに入れられるのが嬉しいところです。
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TSN-774 TE-17W (30X)での画角変化
W300のレンズは7.6〜22.8mm(35〜105mm)で30倍のアイピースでの換算は光学1050〜3150mmと標準的な3倍ズームです。デジタルズームで6倍まで対応出来ます。
774+TE-17Wでのケラレは最望遠で僅かに感じるもののかなり良いレベル
でした。
広角端 1050mm 7.6(35)mm 中間 約 2100mm 望遠端 3150mm 22.8(105)mm
望遠端 3420mm 拡大 望遠端 3000mm 拡大 望遠端デジタル 約 6300mm 拡大
ニコン E7900 拡大 キャノン S80 拡大 拡大
カラーモードの設定  忠実再現のリアルカラー、冴えを強調したビビットカラーが標準に加えて選択出来ますが、色再現に加えてコントラスト変化がはっきり現れました。
また、メーカーの味付けのせいか?シアン傾向の色味が出やすい気がします。
標準カラー リアルカラー ビビットカラー
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コントラスト設定 写真:コントラスト(−)

コントラストを標準から(−)に変えると変化量は大きく、晴天時には効果的ですが、リアルカラーとの併用時は予想以上のコントラスト低下となるので注意が必要です。

カラーモード標準と比較下さい。
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シャープネス設定 写真:シャープネス(−)

シャープネスを標準から(−)に変えると変化量は大きく、かなりあまい写真となり、中間の設定が欲しい気がします。

拡大 カラーモード標準と比較下さい。
ISO感度変化  通常の13Mプログラムモードでは80〜400で自動または手動でセット出来ます。400になると中間調からシャドウ部にかけてややマゼンタのノイズが発生します。
ISO80 ISO200 ISO400
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高感度モード(13M)ISO100〜1600 自動選択

自動感度設定のみで、明るい昼間には100に設定され、感度を上げて高速シャッターが使えないのがNG。マゼンタノイズは強くなりますが粒状性は極端に目立つ事はない。

ISO1600 1/60sec 注:プログラムモードではシャッター1/4まで
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EX高感度モード(3M)ISO500〜6400 自動選択

自動感度設定のみで、画素数が3Mに制限されます。明るい昼間には500に設定され、感度を上げて高速シャッターが使えないのがNG。マゼンタのノイズはソフト的に良く押さえられています。

ISO1600 1/60sec 注:プログラムモードではシャッター1/4まで
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高速連写モード  秒間5コマの高速連写モードだと画像サイズは3Mに制限されるもののデジ眼並のスピードで連写できます。
まとめ:
撮像素子が1360万画素と小さくなり感度的には不利な条件になりますが、目立った感度低下もなく、高感度でもマゼンタの色カブリの様にはなりますが補正出来る範疇に思えます。ただ高感度モードでの感度設定が自動のみで、感度を上げての高速シャッターが使えないのは残念なところです。
デジスコ機としては、小型で薄く、カメラアダプターSW8を使う事で光軸が安定しアダプター部がシンプルになりで大変好感が持て、30倍アイピースではケラレは大変少なく、画質もE7900やS80と比べても違和感がなく良い感じです。
カメラの操作性ではフォーカスポイントの移動が出来ず、ボタン操作で露出補正が出来ないのが残念なところです。色再現性ではややシアン傾向なのが気になるところですが、液晶モニターは野外でも大変見やすく、ホワイトバランスの設定や後処理でカバー出来る範疇かと思います。
サンプル写真 
セッカ 相模原市

曇りの天気にはカラーやコントラストは標準で、ホワイトバランスを曇りに設定。
スコープも824Mでもバッチリ。

TSN-824M + TE-14WE + W300
ISO-80
1/60sec F4.5

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No.080621-824-W300-02080
セッカ 相模原市

スコープを4Nでもバッチリ。
接眼レンズの14Wを使う場合のクリアランスは望遠側で約3mmほど離した方が良さそうです。

TSN-4N + TE-14WD + W300
ISO-100
1/125sec F4.5

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No.080622-4N-W300-02171
スズメ 町田市

画像サイズが3Mの高速連写モードで撮影しました。
砂浴びをする姿ですが、WEBなら十分使えます。

TSN-774 + TE-17W + W300
ISO-500 1/400sec F5.0

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ハシジロアビ 銚子漁港

のんびりと海面で休息しています。

TSN-774 + TE-17W + W300
ISO-80 1/200sec F7.1
リアルモード、コントラスト:弱

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No.080607-774-W300-00405
コアジサシ 銚子漁港

太陽光が強く、陽炎の中での撮影でした。

TSN-774 + TE-17W + W300
ISO-80 1/160sec F10
リアルモード、コントラスト:弱

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No.080607-774-W300-00658
ハシジロアビ、コアジサシの撮影では快晴の天候だったんで、リアルモードとコントラスト弱で撮影しましたが、調子が落ちすぎました。快晴時でもコントラストはリアルモードにすることでやや低下しますので、リアルモード+コントラスト標準または標準カラー+コントラスト弱くらいで良いようです。
また、ホワイトバランスの細かな調整をし、モニターでの露出補正はヒストグラム表示が小さく、白トビ警告が無いためハイライト側よりブラック側を基準に調整し補正するのが良いような気がします。