15. SIGMA SD14 ( Foveon X3 )
SIGMA SD14

このカメラの最大の特徴は、撮像素子に、3層型 Foveon 3 ダイレクトイメージセンサーを採用している点にあります。
このセンサーで一般的なベイヤー方式のセンサーと比べどこまで画像が向上するかをテストしてみます。

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SIGMA SD14 ( 3層型 Foveon 3 ) の特徴

一般的なデジカメの撮像素子は、ベイヤー方式の1層構造のため、BGGRの4つの素子で色を感じ取り補間処理により画像を作るため偽色が発生します。
SD14の Foveon 3 ダイレクトイメージセンサーでは、構造がフイルムと同じ様なBGRの3層構造で、偽色の発生がしにくい構造になっています。

SIGMA SD14
EOS-30D
撮像素子のタイプ
3層型 Foveon 3
1層ベイヤー方式
有効画素数 
2652×1768×3層=14.06MP
820万画素
JPEG展開画素数
2640×1760=464万画素
3504×2336=818万画素 
SIGMA SD14 の画像作り

メーカアナウンスでSD14はRAWフォーマットによる記録を推奨しており、利便性を向上させるためにJPEGでの記録も追加されました。
RAW画像の現像には、付属の Sigma Photo Pro 3.0 又はフォトショップ CS2 で現像が出来ます。ソフトの機能は別にして、二つのソフトの圧倒的な違いはノイズ処理にあり、フォトショップではノイズ処理がされていないためか、はっきりとノイズが現れます。
これは本来Foveon 3 が持つノイズと思われます。Sigma Photo Pro 3.0 ではノイズ感は少なく、SD14専用の現像ソフトだけに、センサー
の欠点をノイズ処理で手助けしているようです。

Sigma Photo Pro 3.0 調整画面

ノイズ感は少ないが、フォトショップのような細かな色温度調整が出来ず、現像後にフォトショップでの再調整が必要になり、少数の現像なら我慢できるが、大量の現像には処理速度を含め作業性は良くない。せめてホワイトバランスの微調整とRGBのトーンカーブ補正が欲しいところです。

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現像ソフトの違いによるノイズ処理の比較 (ピクセル等倍)
JPEG画像は、想像以上に良く出来ていたかのように思えたが、一般撮影で階調に違和感を感じて再テストをするとシャドウR味、中間でCG味の不自然な致命的傾向が再現した。この傾向はJPEGで顕著でRAWでもやや同じ傾向があります。
下のサンプルの撮影条件は SD14 が APO135-400mmF4.5-5.6、EOS-30D は EF100-400mmF4.5-5.6LIS ISO100 で同一距離で撮影しています。
SD14 JPEG-High(2640×1760) SD14 RAW-High(2640×1760)
拡大 拡大(ピクセル等倍) 拡大 拡大(ピクセル等倍)
SD14 JPEG-Super High(4608×3072) Canon EOS-30D JPEG(3504×2336)
拡大 拡大(ピクセル等倍) 拡大 拡大(ピクセル等倍)
これらの画像を見るとSD14の(2640×1760)でのピクセル等倍画像が特にシャープ感が強く良い出来に仕上がっています。SD14のSuper-Highは補間処理によりややシャープ感が失われています。
SD14 と EOS-30D 比較
SD14は細かい毛などの細部の描写はやわらかく表現されています。
30Dではシャープ処理でくっきりしてるように表現されています。
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上のサンプルを見るとSD14の画像は非常に高い解像感を得るように思えますが、展開したピクセル数は464万画素と小さく、WEB上の画像なら問題はあまり感じませんが、一般的な現像所で使われている印画紙レーザープリンターではおおよそ300DPIでの出力になるため、適正なプリントサイズは、22.3×14.9cmとなり大伸ばしプリントには厳しいところです。
SD14 ISO感度比較
ISO 100 等倍 ISO 200 等倍 ISO 400 等倍 ISO 800 等倍 ISO 1600 等倍
感度変化に対して解像度の低下は少なく良好です。ただしISO400あたりからマゼンタの色ムラの発生が目立ってきました。
階調に違和感を感じる写真
写真○印のコンクリブロックの部分が違和感のある写真になりました。シャドウ部が赤味を帯びややコケの付着部分が変に緑色になり、高感度ノイズのような画像になっています。この辺がJPEGを推奨しない理由なのだろうか?
ISO-100 JPEG Hi APO135-400mmF4.5-5.6
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07.03.31 SD-01289
サンプル画像 SIGMA SD14
ミツユビカモメ 第2回冬羽 銚子港

ISO-100 JPEG Hi APO135-400mmF4.5-5.6
1/500sec f8
07.03.21 SD-01087
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ミツユビカモメ 成鳥冬羽 銚子港

ISO-200 JPEG Super-Hi APO18-200mmF3.5-6.3
1/400sec f11
07.03.10 SD-00628
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ドバト

ISO-200 JPEG Hi APO135-400mmF4.5-5.6
1/1250sec f8
07.03.17 SD-00764
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まとめ
SD14の印象は、センサー性能はなかなかのものがあります。ただフィールドで野鳥撮影に使ってみて、これまでデジ眼はEOSシリーズを使ってきていたので特に感じるのですが、歩留まりが悪い印象を感じました。このセンサーはピントやブレにかなりシビアなところがあり撮影の難しさを感じました。
また、色温度の変化で階調が不安定になりやすい傾向があるのか?グレーの階調が悪くシャドウR味、中間でCG味の不自然な傾向が不安定に発生し、こまめにホワイトバランスの構成することで発生は抑えられるようだが、階調の崩れた色調整は難しく、結果的に一部良い部分はあるものの使えない印象を強く感じられた。
特に今回のテストではセンサー中心にテストを行い、カメラ部については触れていませんが、あまりにも時代を感じさせられ、風景などの速写性能を求めないなら我慢できますが、特に野鳥撮影の場合には他社からの3層型センサー搭載機を期待してしまう印象でした。