ホイグリンカモメ Heuglin's Gull は、大型カモメの中でも珍しくカモメやウミネコのように3〜4年で成鳥になるタイプで、冬鳥として極少数が銚子港にも飛来します。
セグロカモメに比べ大きさが小型で、背のグレーがオオセグロカモメやウミネコのように濃く、足は黄味を帯びています。
足の黄色い小さなオオセグロ
カモメと言った感じです。
ホイグリンカモメ 成鳥冬羽

やや小型でスリムな体型にグレーがウミネコのように濃く、初列風切の先端の白班やP10の白班は小さく黒色部が8枚と黒が多く目立ちいい感じのホイグリンカモメに見えますが、足の黄色の冴えが強く、ここまで黄色いとやや疑問を感じる個体です。

拡大
特大 1600×1100
No.170307-7D-90903
No.170307-7D-90898 特大 No.170307-7D-90963 特大 No.170307-7D-90919 特大
ホイグリンカモメ? 成鳥冬羽に移行中

奥のセグロカモメや右のタイミルセグロカモメに比べグレーが濃く、やや小型の体型で、初列風切は長めでP9に白班は無く磨耗した旧羽が目立ちP5あたりに新羽が少し見え換羽時期は遅くなっています。
しかしP10の白班がやや大きいかホイグリンとの判断にはやや悩ましい感じもします。

拡大 特大 1600×1100
No.161104-80HD-S120-78900
No.161104-S120-78879 拡大 No.161104-S120-78885 拡大 No.161104-S120-78904 拡大
ホイグリンカモメ? 成鳥冬羽   やや濃いめのグレーに黄味の足に班が後頸に集中し明色の虹彩が目立ちました。P10はまだ旧羽で換羽はかなり遅くなっています。グレーの濃さがホイグリンにしてはちょっと薄くタイミルセグロカモメかどうか悩ましい個体です。
No.170127-7D-77390 特大 拡大 No.170127-7D-77452 特大 拡大
ホイグリンカモメ? 成鳥冬羽   オオセグロカモメのようにかなり濃いめのグレーが目立ちました。足は黄味を帯び初列風切りはP9伸長中でP10は欠落しており白班の大きさは確認出来ませんでした。
No.170210-7D-82352 特大 拡大 No.170210-7D-82413 特大 拡大
ホイグリンカモメ 成鳥冬羽(第4回)

背のグレーがウミネコのように濃く、小型で初列も長めで目にとまりました。
P10のミラーも小さくP9の白斑は先端のみで、タイミルセグロカモメ taimyrensis ではなくホイグリンカモメ heuglini の特徴が見られ、更に震災の年に話題になった下に掲載している1Wと同一個体。

拡大 特大 1600×1100
No.140222-7D-18791
No.140222-7D-18788 拡大 特大 No.140222-7D-18751 拡大 特大
No.140222-7D-18761 拡大 No.140222-7D-18780 拡大 No.140222-7D-18757 拡大
ホイグリンカモメ 成鳥冬羽 

この個体、背のグレーがウミネコ程度濃く、後頸に細かい班があり、足は肉色で、初列パターンはP10に小さなミラーがあり、P9の白斑は先端のみ。
飛翔写真は堤防の写真と同一個体か不明です。

拡大
No.140308-80HD-S120-31772
No.140308-S120-31570 拡大 No.140311-7D-21851 拡大 No.140311-7D-21858 拡大
成鳥冬羽   この個体は、セグロカモメと比べて大きさが明らかに小さく、足が黄色で、虹彩は黄色、背のグレーがウミネコのように濃いのが目立ちました。
No.120107-80HD-S95-11201 拡大 No.120107-80HD-S95-11209 拡大
第1回冬羽  この個体は、小型でスリムな体型で足が長く見え、三列、雨覆が焦げ茶色で濃い体色で集団の中でもかなり目立ちました。
最初の印象は、焦げ茶色の体色からホイ系のように感じましたが、ベテランの方から翼下面が白い部分が多く、カザフセグロカモメの可能性が有るとの指摘が有りさらに疑問が深まりましたが、第2回になった姿を観察されホイグリンカモメと特定されました。
No.110205-774-S95-03343 拡大 No.110205-774-S95-03359 拡大
第1回冬羽
拡大
No.110212-5D-01523
No.110306-5D-02174 拡大 No.110306-5D-02182 拡大
No.110306-5D-02167 拡大 No.110306-5D-02171 拡大 No.110306-5D-02194 拡大
前回の観察から前回よりいっそう肩羽のグレーがやや増し、焦げ茶色の体色が退色しやや薄くなってきたたように見えます
拡大
No.110312-5D-02496
No.110312-5D-02500 拡大 No.110312-5D-02507 拡大
ホイグリンカモメまたはタイミルセグロカモメ 第1回冬羽 

この個体、体色が白っぽく雨覆が暗褐色で目立ちました。
スラットした体型ですが大きさがセグロほどありホイグリンの雄個体かタイミルか悩ましい感じです。

拡大
No.140310-7D-21329
No.140311-7D-21796 拡大 No.140311-7D-21712 拡大 No.140310-7D-21634 拡大
ホイグリンカモメの識別分類について

ホイ系カモメ@Aの分類についてはいろんな説があり

@ホイグリンカモメ 亜種 heuglini
Aタイミルセグロカモメ ホイグリンカモメ 亜種 taimyrensis
Bセグロカモメ Vega

ホイ系はセグロカモメに近いものから様々で、足の黄色いセグロカモメはいないとの事から足に黄味があり背のグレーが濃く、換羽時期が遅い特徴があればホイ系としていました。
しかし@ホイグリンカモメとAタイミレンシスとの分類はグレーの濃さの違いなどで曖昧な感じでした。
私感で
すが、ホイ系の中で明らかにグレーが濃く、さらに小型でスリム感がある個体を@ホイグリンカモメとしたいと考えます。
初列パターンでは@ホイグリンカモメはP10のミラーが小さく、P9の白斑は先端のみで、P8〜P5の先端の白班は小さく黒が多く感じます。
AタイミルセグロカモメはP9の白斑が先端と小さな白斑が有る場合が多い事も判断材料になると思います。
しかし明らかにグレーが濃く、大きさがセグロカモメ程度の個体を@Aのどちらに分類するかは悩ましい存在です。

背のグレーがかなり濃く、大きさがセグロカモメと同等のタイプ
ホイグリンカモメまたはタイミルセグロカモメ 成鳥夏羽    この個体足が黄色く、セグロカモメにしてはグレーが濃いめで嘴の赤班は大きく目立ち、初列の先の白斑は小さく、換羽状態は一般的なセグロカモメより遅いはずですが、既に頭部は白くなっています。
ホイグリンカモメで疑問を感じるのはホイグリンにしてはグレーがやや薄いような気もするし、ミラーがあまり小さくない気もしますが、一般的なタイミルセグロにしては換羽が早すぎるように思えます。
拡大
No.120406-80HD-S95-14075 拡大 No.120406-80HD-S95-14070
ホイグリンカモメまたはタイミルセグロカモメ 成鳥夏羽

下の写真の右側の個体は、周りのセグロカモメと比べても背のグレーがかなり濃く見えます。

04.10.17 波崎港 No.1D-2065
04.10.17 波崎港 No.A95-0545
タイミルセグロカモメのページ