うつ病で大切な友人を失わないために
        見守る友人の苦悩を軽減するために
2013.06.02

大切な友人をうつ病で失ってしまいました。
私を含め多くの友人は、彼女の苦闘を支えていたつもりでしたが、彼女を助ける事が出来なかった無力感の苦痛で一杯になりました。
ここでは彼女とメールや電話で接した最後3週間の失敗経験から、中〜重度のうつ病に苦闘する方を一人でも助ける事が出来れば幸いです。そして見守る友人の苦痛を少しでも軽減する事を目的にして、これが彼女が残した私への最後の想いだと思い、事実に基づいてページを作りました。

私は医学的な知識がありませんので、うつ病についての正しい知識は専門のサイトを必ずご覧下さい。

彼女の置かれた環境とうつ病要因
彼女は46歳で2年前に離婚を経験した二児の母です。
明るく真っ直ぐで、生真面目で頑張りやさんの性格でした。
長男は高一、次男が中一で広汎性発達障害・ADHDでした。

5年前頃に次男の障害が発覚し、そこからうつ病を発症してしまいました。
2年前に二人の子供達をつれて離婚により別居しアルバイトで頑張って生計を立てていましたが、1年前に最愛の相談相手の母親が急性心筋梗塞で急死してしまった事で支えを失い、症状が悪化して仕事も出来なくなってしまいました。
その後は中〜重度
化したうつ病の中で苦闘しながらの子育てで、絶望感から最悪の症状である本人の意思に反して楽になろうとする衝動が起こるようになってしまいました。

 @ 障害の子供を持つ母親の葛藤
 A 2年前に離婚、独立
 B 最愛の実家の母親の急死(近親者を失った絶望)
 C 仕事が出来なくなったと自分を責める
 D 収入が絶たれた生活の不安
 E 将来の希望が持てない

彼女のうつ症状SOSサイン
3週間の電話やメールで過去の症状はよく確認出来ていませんが、次男の障害が発覚してから鬱病の自覚が始まり、5年前に街の心療内科に通い始め、去年入院施設のある国立病院に通うようになり入院の経験があるとの事でした。
最近2週間の状況をメールの一部から転記します。

身体的症状

@「手が震えてメール、打ちにくいよ・・・」
A「ほとんど寝たきりだよね、少しは子供達の面倒みるけど、仕事したいなー薬飲みすぎて、健忘が酷いよ・・・」
B「体重計ったら-20減っていたよ、精神的に辛いと体重にこんなにくるの初めてだよ、震えが止まらないし・・・もうすぐ松島奈々子になれるかな?」
C「街の心療内科では、鬱病だったんだけど、入院していろいろ検査して、躁鬱病って言われたんだよね・・・」それから「なんだか躁鬱になってから、物凄い薬が増えて、わけわからんよ・・・
」「違う友達も病院変わってから、変になったって言われたんだよ・・・」「多分、躁を抑える薬を飲んでいるから、鬱が酷い時はダメなんだろうな・・・」
D「今日も病気でふらふらになりながらも友達が外に連れ出してくれて本当に申し訳ないよ」
E「明日もどうせ早朝覚醒だろうな・・・」

精神的症状

@「精神的に不安定だし、鬱病からくる悪い方に悪い方にとばかり考え込んで、死ぬしかないって思ってしまうんだよね・・・」
A「いろんな人が励ましてくれているんだけど、自分でシャットダウンしてしまっているんだよね・・・」
B「毎日、自殺する事ばかり考えているけど、子供二人残して、死ねないし、死ぬのも怖いし・・・」
C「死にたいけど、サイトとか見ていると怖くなってね・・・」
D「次男が学校卒業してから不安になって、調子悪くなっちゃったよね・・・」
E「生きる希望もないけど、死ぬ勇気もないよ・・・」
F「今日もまたパニック起こして死にたい・・・って言ってしまったし私の方が歳上なのに恥ずかしいけど、本当に精神的に不安定です。」


見守る方々が、もしこのようなサインを受け取ったら、中〜重度の可能性が高いと思われます。
彼女は自分の意思に反して、衝動的に行動を起こしてしまうのがこの病気の大変恐ろしいところです。
衝動的な行動は望んだ自殺ではなく、病気の症状の一つと理解しましょう。

SOSサインを感じたら
見守る方々が、メール、ツイッター・電話や会話の中にSOSサインを受け取ったら、心配して相手を励ますのが普通の対応だと思います。私達もそうでした。
しかし、一般的なうつ病の対応として、相手の出来ない無理な励ましはストレスになり返って相手を更に落ち込ませてしまうのでメールなどの励ましは逆効果と言われています。
ただし、相手がメール好きの場合は、良い方向に導ける場合がありました。
彼女の場合はメール好きでしたので、やりとりで友人と繋がっているという安心感が多少でも得られていたようです。しかしそれがまた重みにもなってくるので内容には注意が必要でしょう。

先ず出来る事は、相手の話を冷静に受け止めてあげて、決して無茶な行動をしないようにはっきりと伝えましょう

中〜重度の場合、本人を単に励ますのではなく、
直ぐに専門医のところに連れて行ってあげて適正な治療を受けるようにしてあげて下さい。

うつ病に対する知識の無い者にとって一人で行動するのは結果の不安もあり難しいのが現状だと思います。どうやって励まそうかではなく、治療のために何が出来るかを考えてあげて下さい。
支え合う友達同士で考えて、
うつ病の知識や経験者の助言を求めてとにかく出来る事を勇気を持って行動して下さい。
中〜重度の場合は何もしないで放置しておくと私のように後悔する結果になります。

彼女の場合、身の回りでも不自由になってきていましたので、身の回りの世話をしてあげるのも効果的でしょう。

見守る友人の苦悩
親しい相手からSOSサインを受け取れば、誰しも何とかして励ましてあげたいと思うのが普通の感情でしょう。
しかし、うつ病の対応経験の無い者にとって、どうしたら良いか解らずに自分で悩んでしまい、
相手に対する心配と力になれない無力感から落ち込んで自己喪失になり、食欲不振や睡眠不足にも陥ってしまいます。
今回の場合、残念な結果もあり友人仲間では、ぼぼ全員が無力感一杯で皆落ち込んでしまいました

一人で悩んで落ち込んでも自己喪失で共倒れしてしまいます。相手にとっても本望ではありません。
一人で悩まずに支え合う複数の友達・知人同士やご家族の方と良い治療法を考えてあげて下さい。
見守る方々の不安も彼女に対する小さな行動でも減る事と思います。

一人で悩むのは禁物です。

理想的な治療
治療に関しては、私は素人ですので専門的なアドバイスは出来ませんので、必ず精神科や心療内科の専門医や知識のある方の意見やサイトをご参照下さい。

今回の経験から言える事は、中〜重度と判断できる場合は直ぐに入院施設のある病院に連れて行ってあげて治療方法を確認するのがベストと思います。また行きつけのクリニックがあればそこで紹介状をもらうのも一案でしょう。

うつは精神的な病でなく脳の病気です。
発症しやすいタイプとして責任感の強い頑張りやさんが多いそうです。

   @ 入院など医療施設での医師の管理下での体力回復やカウンセリング

   A 献身的に身の回りの世話が出来る人の存在

   B 安心感の得られる環境作り

   C 不安材料の軽減


@は医療機関にある程度任せまられますが、体調がある程度戻って退院しても薬事療法だけでA〜Cが変わらないと再び繰り返してしまう場合があります。
特に献身的に見守ってくれている人の存在が重要で、病院や本人の努力だけでは治療が難しい事があり家族・近親者や友人の協力が絶対必要になります。
医師の指導の下でこれらがバランスよく実施する事が出来れば回復に繋がったと思います。

私の大反省
彼女とは20年前の良き仕事仲間で、寿退社以来15年位連絡はありませんでしたが3週間前からメールや電話があり昔話から始まりうつ病の話を聞くようになりました。

私の反省点は、うつ病治療の知識が無く初めての経験でしたが、精神的な不安をどうしたら和らげる事が出来るかばかりに集中し、病気の治療という視点でうまく対応する事が出来ませんでした。
また、他人に相談する事も出来ずSOSを感じても一人で落ち込むばかりで、治療に向けての行動が出来ませんでした。
結果的にほとんど何も出来ずに最悪の結果になってしまいました。

電話やメールだけでは適切な状況判断が出来ませんので、直接会って状況を確認したり俊足な治療に向けた行動をとっていれば、彼女を救う事が出来たかもしれないと考えると、申し訳ない気持ちで一杯です。
多分、一生後悔し続ける事になりますが、自分の失敗経験からページを作成し、同じ様な境遇の方を一人でも減らす事が出来ればよいと思います。

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