標識カモメ Bird Banding
銚子漁港はカモメを含め渡りの中継点となっていますのでカモメの観察をしていると偶然に標識を付けた個体を見つける場合があります。
標識には金属の足環やカラーリングや翼のフラッグなど、最近では位置情報を記録するジオロケーターを足に装着した個体も見られます。
調査結果から繁殖地や移動経路や個体の年齢など様々な貴重なデータが得られる場合があります。
今までに観察できた個体や調査から得られた情報を紹介します。
標識ウミネコ H7 成長夏羽   

前回のD7に続いて今回は堤防で赤いカラーリングが目立ちました。
左足の赤いカラーリングにはH7番で右足に金属リングはありませんでした。

確認結果 H7: 2012年7月4日に青森県下北郡大間町弁天島で成鳥として標識

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No.140308-80HD-S120-31300
赤い足環(カラーリング)で標識されたウミネコを目撃された方は     https://sites.google.com/site/utou58/request
標識ウミネコ D7 成長夏羽   このウミネコの集団の中に赤いカラーリングが目立ちました。左足の赤いカラーリングにはD7番で右足に金属リングはありませんでした。

確認結果  D7: 2012年5月27日に青森県下北郡大間町弁天島で成鳥として標識

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標識ウミネコ  成鳥冬羽 B74

奥の個体の左足にB74の黄色のカラーリングを付けています。
前に同じ黄色のカラーリングでB75の個体を観察した際は2009年に繁殖地の青森県八戸市蕪島で装着の結果がありました。

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No.131226-80HD-S120-15332
標識確認結果
山階鳥類研究所殿よりこのB74の個体は、2009年に青森県八戸市蕪島でカラーリングを装着した個体で、
さらに金属足環の番号と照合して1983年生まれと確認でき、現在30歳でかなりの長生き個体との調査結果がありました。
ウミネコの長寿記録が32歳ですからこの個体もかなりの高齢の老鳥になり、頭部の茶班がもう白くなってきている個体が多くなってきたのに、この個体は濃いめです。やや換羽が遅くも感じます。
標識セグロカモメ 成鳥冬羽(Y43)

前回観察した同じ個体で、右足に金属リングと左足に行徳野鳥観察舎にて付けた白で43のカラーリングを付けています。
行徳に行く途中にちょっと立ち寄っているようです。

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標識セグロカモメ 成鳥冬羽(Y18
この個体11/4にお世話になっている鴎舞時 / OhmyTime のseichoudokuさんが観察されています。2009年に行徳野鳥観察舎にてY18の標識を装着し、右足にはジオロケータが装着されています。この個体の詳細な情報が掲載されてますのでリンクを参照下さい。
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油漠標識ウミネコ 成鳥夏羽
     
(標識調査より第13回)

この個体、頭部から腹部にかけて油で汚染されています。他にもウミネコの油漠個体を複数確認しました。
左足:標識番号は”B75”です。
右足:位置情報記録の
ジオロケータ

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No.130223-80HD-S110-08495
標識調査結果   
この個体の黄色プラスチック足環(B75)は,2009年に繁殖地の青森県八戸市蕪島で装着したもので、
その番号から2000年に蕪島で生まれた個体との調査結果が、山階鳥類研究所のご協力で得られました。 
また,右足に付いているものは,ジオロケータと呼ばれる位置を記録する機械で、GPSのように精度は高くありませんが、渡りルートや繁殖地や越冬地などの解明に役立てる物で、回収して初めて位置情報を読み出すため、リアルタイムでの位置情報は確認出来ませんが、小型で安価なため最近はよく使われてきているようです。残念ながら誤差は数百kmほどあるとの事です。

調査結果より蕪島の繁殖個体も、銚子漁港に立ち寄っているのが証明されました。
以前沖縄まで行っていたウミネコもありましたが、この個体は蕪島への帰り道と思えますが、何処まで行っていたかジオロケータの回収で確認出来るでしょう。

標識ウミネコ 第1回冬羽

舌赤い風船のような物が凄く目立ちましたが、右足に金属足環が装着されています。
残念ながら番号の読み取りは出来ませんでした。

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No.121223-7D-05474
標識セグロカモメ 成鳥冬羽

標識セグロカモメで右足に金属リング、左足に45番の識別番号がはっきりわかります。
行徳での放鳥個体と思えますがまだ未確認です。

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No.111217-80HD-S95-08341
標識ウミネコ 第1回冬羽

この個体、左足に黄色のカラーリングに個体番号F07
右足には金属リングが装着されています。

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No.101230-5D-00653
この個体は、2010年7月16日青森県八戸市蕪島の繁殖地にて40日齢で標識放鳥されたことが確認出来ました。
その後12月30日に銚子漁港、2月21日遠く台湾でも確認されました。

蕪島の繁殖後の成長の移動経路は、7月頃繁殖地の蕪島から北海道方面に北上し、その後本州〜九州方面にかけて南下する調査結果がありますが、今回の個体も時期的に同様な移動をした可能性が有ると思えます。それにしても九州を越えて台湾まで南下するのは珍しく驚かされました。

標識ミツユビカモメ 老鳥

頭部はまだ白っぽく初列は摩耗した旧羽が目立ちます。羽繕いをしたり、頭かきをしたりと愛嬌のある姿を見せてくれました。

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No.101106-774-S95-00068
カラーリングの調査結果

 山階鳥類研究所を通じてこの個体の調査をして頂いた結果、アラスカ科学センター スコット博士が18年前の1992年6月30日にミツユビカモメの繁殖地のオホーツ ク海北部ロシアのタラン島での調査訪問時に標識放鳥した繁殖中の雄成鳥との貴重な調査結果が得られました。

スコット博士よりミツユビカモメは5歳以上になって繁殖を行うので、昨年の撮影時点で23歳以上の老鳥と考えられ、写真から磨耗した羽が興味深く老鳥の特徴と一致するとの事です。

銚子漁港では、今回の個体のように大きく磨耗した個体を多く見かけ疑問に思っていましたが、喚羽時期の異なったタイプとも考えていましたが、今回の貴重な調査結果から、この個体が23歳以上の長寿の老鳥であることに驚かされました。
銚子漁港に入ってくるミツユビカモメの多くが、やや体力が低下したせいか、海上の集団と行動を別にする老鳥が多い可能性が有ると思えます。

今回の調査では山階鳥類研究所の大きなご協力を頂き特定に至りました。

また、スコット博士のご了解を得てメールを掲載しております。

Hi all,
I think I have solved the riddle of the color banded kittiwake sighted in Japan. In 1992, Bay Roberts and I visited and worked with Sasha and Luba Kondratyev on Talan Island in the northern Sea of Okhotsk. We color-banded some 280 adult kittiwakes there according to my records. The first 109 birds had a steel band on the left leg and three color bands on the right leg. However, we then apparently ran out of steel bands and continued to band with just a three-color code on one leg (left or right)--not the best thing to do; I don't remember what exactly was the decision process. In the banding list, I do find a bird banded as -/bwb (nothing on left leg, blue-white-blue on right leg). It would make sense that birds banded on Talan Island would show up in Japan in winter.

If this is the correct explanation (and I think it must be), then this bird was banded on 30 June 1992 at Talan Island (59o, 18' N, 149o, 05' E). No record of whether it was breeding, but as I recall all birds were caught off nests during incubation (using noose poles), so it almost certainly was a breeder. Large measurements (wing chord 340 mm, culmen 39.0 mm, diagonal tarsus 34.7 mm, weight 490 g) suggest is almost certainly was a male.

Given that when it was seen in Japan it had been 18 years since this bird was banded, and that it was a breeding adult when banded (i.e., probably > 5 years old), the bird was likely > 23 years old when sighted. It's interesting that the bird in the photo is somewhat scruffy looking (wing feathers a little off-color and ragged), consistent perhaps with its being an old, senescent bird. We have a similar-aged female on Middleton (a female > 24 years old) which also looks a little bedraggled (feathers on the head thinning a bit). As we get more and more known-age old birds in our study populations, perhaps this is what we can expect to see increasingly often.

Best,
Scott A Hatch

標識ユリカモメ 成鳥冬羽 町田市 
成鳥1個体に足環が付けられていました。 調査の結果、山階鳥類研究所 標識研究室より07年12月に多摩川で付けられた事がわかりました。
どこからやって来たのかは解りませんでしたが、多摩川、境川と行動している事がわかりました。、
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標識ウミネコ 成鳥冬羽

赤色のフラッグと足還を付けた個体。
12月になると北海道方面から南下が進んでいるようで、多くの成鳥が入るようになってきました。
ウイングタグは北海道の天売島で装着。

http://www.hokkaido-ies.go.jp/topics/umineko/umineko.PDF

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No.051204-1D-15434
標識ウミネコ 成鳥夏羽  右足に金属リングを装着しています。調査中ですが、 KANKYYOCHO TOKYO JAPAN 9A56066 の刻印を確認できました。
山階鳥類研究所にて調査の結果、1999年6月13日に青森県八戸市蕪島にて装着され第16回になります。
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